◎デモ隊はマスク着用や医療従事者などに対するワクチン接種の義務化に反対している。
2022年3月2日/ニュージーランド、首都ウェリントンの議会議事堂前、警察と抗議者(Mark Mitchell/New Zealand Herald/AP通信)

3月2日、ニュージーランドの現地メディアによると、首都ウェリントンで進行中の反コロナ対策デモで一部の抗議者が自分たちのテントやマットレスに火を放ったという。

デモ隊はマスク着用や医療従事者などに対するワクチン接種の義務化に反対している。

NZLヘラルドによると、一部の抗議者は3週間以上前から議会議事堂周辺で抗議を続けており、芝生広場はテントで埋め尽くされている。

抗議者が火を放った理由は明らかにされていないが、警察は黒煙が上がったテントの所有者を取り押さえ、火を鎮火した。

その後、機動隊は一部の反抗的な抗議者に唐辛子スプレーを吹きかけ、芝生広場の支配権を奪取した。

乱闘の様子を遠くから見守っていた抗議者はAP通信の取材に対し、「彼らはウクライナ侵攻に触発された可能性が高い」と語った。

NZLヘラルドによると、2日の騒動はこれまでで最も激しく、少なくとも数十人が警察に立ち向かったという。一部の暴徒は機動隊に物を投げつけ、機動隊はホースで水をかけ応戦した。

警察は芝生広場を取り戻すと抗議者に帰宅を促し、テントを撤去し始めた。AP通信によると、一部の抗議者は唐辛子スプレーを牛乳で打ち消そうとしたという。

警察は議会議事堂周辺に駐車されていた車両少なくとも300台をレッカー移動した。一部のトラックにはカナダを震撼させた抗議デモ、通称フリーダム・コンボイの模倣と思われる「コンボイ・フォー・フリーダム」と書かれた看板が取り付けられていた。

警察の報道官は2日、「この作戦のために国内から数百人の警官を追加投入し、車やテントはすべて撤去する」と記者団に語った。

報道官によると、一部の抗議者は消火器を噴射したり、ペンキを投げつけたりしたという。また、その場しのぎの盾やバリケードを使用した者もソーシャルメディアの投稿で確認されている。

警察はヘリコプターにレーザーポインターが向けられたと発表しているが、詳細は明らかにされていない。

デモ隊は一斉取り締まりに強く反発し、デモを主催した団体は抗議文を提出したと伝えられている。デモ隊はソーシャルメディアに、「政府は義務付けをやめ、暴力をやめ、自分の健康は自分で決めるという国民の権利を保障する必要がある」と投稿した。

一部の団体はジャシンダ・アーダーン首相を「悪魔に魂を売った女」と呼んでいる。

この抗議デモにより、NZL全土の政治的緊張は微妙に高まったようである。アーダーン首相は先週、クライストチャーチでの学校訪問を終え車に戻る際、抗議者から罵声を浴びせられたため、警備を増強した。

アーダーン首相は2日、「不法占拠を終わらせる時が来た」と記者団に語った。「今回の抗議デモは時に暴力的で、誤った情報を拡散し、陰謀論に傾倒していることは明らかです」

またアーダーン首相はデモ会場でコロナが広がり、何人かの抗議者が入院したことも明らかにした。

デモ隊は議員との協議を求めているが、申し出を受けた政党は今のところない。

NZLヘラルドによると、ある抗議者は先週警官に向かって車を走らせ、別の抗議者は警官に人糞を投げつけたという。

これまでに逮捕された抗議者は130人を超え、そのうち何人かは起訴されている。

デモ隊はよく訓練されており、芝生広場にテントを張り、携帯トイレを設置し、わらのベッドを作り、さらに一部の抗議者は菜園や仮設のシャワー室まで準備していた。

政府は「哀しみのマンディ」「歌の贈りもの」「コパカバーナ」などの大ヒット曲で知られる米国の歌手、バリー・マニロウのヒットメドレーを議事堂周辺で繰り返し流し、抗議者を追い払おうとしたが、この作戦は失敗した。

保健当局によると、国内の新規陽性はかつてない勢いで上昇しており、2日は22,000件を超え、直近1週間の平均は15,000件近くに達した。死亡者は0~1人を維持している。

<NZLのワクチン接種率 人口比:2月28日時点>
▽少なくとも1回接種 83.8%
▽2回接種 78.0%
▽3回接種 47.3%

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