SHARE:

北朝鮮・金正恩が新型駆逐艦を視察、娘も同行=国営メディア

KCNAによると、キムは東部沿岸で海上試験中のカンゴンを訪れ、艦内設備や兵器システムをチェックした。
2026年6月6日に北朝鮮メディアが公開した写真、金正恩 党総書記(中央)と娘のジュエ(KCNA/AP通信)

北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)総書記が新たに建造された5000トン級駆逐艦「カンゴン(姜健/Kang Kon)」を視察し、海軍力強化の方針を改めて強調した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が6日に報じた。数日後には中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が首都平壌を訪問する予定であり、最新の軍事力を誇示する狙いがあるとみられている。

KCNAによると、キムは東部沿岸で海上試験中のカンゴンを訪れ、艦内設備や兵器システムをチェックした。カンゴンは昨年の進水時に事故を起こし、船体が大きく損傷するという失態を演じた艦艇である。しかし、その後修復作業が進められ、現在は本格的な運用に向けた試験段階に入っている。北は同艦を海軍近代化の象徴と位置付けており、キムは「海上防衛能力の飛躍的向上につながる」と評価した。

カンゴンは今年4月に公開された同型艦「チェ・ヒョン(崔賢/Choe Hyon)」に続く新世代駆逐艦である。北は両艦について対空・対艦ミサイルに加え、核搭載可能な巡航ミサイルの運用能力を備えていると主張している。専門家の間では実際の性能や即応態勢に疑問の声もあるが、従来の沿岸防衛中心の海軍から外洋作戦能力を持つ海軍への転換を目指していることは明らかだとの見方が強い。

視察にはキムの娘であるジュエ(Ju-Ae)も同行した。韓国当局はジュエを有力な後継候補の一人とみており、近年は軍事施設や兵器開発現場への同行が増えている。今回も最新鋭艦艇の公開に合わせて姿を見せたことで、体制の安定性や後継体制の存在を内外に示す意図があるとの分析が出ている。

こうした動きは、習主席の平壌訪問を目前に控えた時期と重なっている。習主席の訪朝は2019年以来7年ぶり。北は近年、ロシアとの軍事協力を急速に拡大している一方、中国との関係修復も進めており、中国としては朝鮮半島に対する影響力を維持したい考えだ。

北は今週、新たな核物質生産施設を公開し、核戦力を「指数関数的に拡大する」と表明したばかりである。今回の駆逐艦公開もその延長線上に位置づけられ、核戦力と海軍力の双方を強化する国家戦略の一環とみられる。習主席との首脳会談では経済協力や安全保障問題が議題になると予想されている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします