北朝鮮、新たなウラン濃縮施設を公開、金正恩が視察=国営メディア
国際社会が制裁を維持する中でも核能力の増強を続ける北の姿勢は、東アジアの安全保障環境をさらに不安定化させる要因となりそうだ。
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北朝鮮が核兵器の原料となる高濃縮ウランを生産する新たな施設を公開した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が4日に報じた。それによると、金正恩(Kim Jong Un)総書記がこの施設を視察し、核戦力を「指数関数的に強化する」と表明したという。北がウラン濃縮施設を公開したのは2024年以来で、核開発計画の拡大を内外に誇示する狙いがあるとみられる。
公開された写真には、ウラン濃縮に使用される遠心分離機が整然と並ぶ大型施設が写っていた。KCNAは新施設について「より高度な技術を採用している」と説明したが、所在地や稼働開始時期などの詳細は明らかにしていない。韓国当局はこの施設をウラン濃縮工場と判断し、米国と連携して動向を注視するとしている。
KCNAによると、キムは視察の中で、北を取り巻く安全保障環境が悪化していると述べ、「最も凶悪な敵」との対立に備えるため核抑止力の強化が不可欠と強調した。これは米国と韓国を念頭に置いた発言とみられる。また、北の兵器級核物質の生産能力は5年前と比べて2倍以上に増加したと主張し、今後も核戦力を質・量の両面で拡充する方針を示した。
北は2017年以降、核実験を実施していないものの、近年核搭載可能な弾道ミサイルや巡航ミサイルの開発を加速させている。韓国や日本を射程に収める短・中距離ミサイルに加え、米本土に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の改良も続けている。先月には新型核弾頭や核搭載可能な巡航ミサイルの発射試験を行い、核戦力の近代化を着実に進めているとみられる。
専門家の間では、北が保有する核弾頭数は100発前後に達する可能性があるとの見方も出ている。韓国政府はこれまで、北が複数のウラン濃縮施設を運用しているとの分析を示し、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ(Rafael Mariano Grossi)事務局長も今年4月、北の核施設活動が急速に拡大しているとの認識を示していた。
今回の施設公開は米朝交渉への圧力という側面も持つ。2019年の米朝首脳会談決裂以降、北は非核化協議への復帰を拒否し、核保有国としての地位確立を目指している。国際社会が制裁を維持する中でも核能力の増強を続ける北の姿勢は、東アジアの安全保障環境をさらに不安定化させる要因となりそうだ。
