◎韓国の大統領府は27日、文在寅 大統領と北朝鮮の金正恩 党総書記は今年4月以降、数回書簡を交換し、通信線の再開と関係改善に向けた取り組みを進めていくことに合意したと述べた。
2018年1月3日/韓国、板門店の国境の村にある北朝鮮との専用ホットライン(South Korea Unification Ministry/AP通信)

7月27日、北朝鮮と韓国は南北通信ホットラインを再開したうえで、両国の関係改善に向けた取り組みを進めていくことに合意したと発表した。

韓国の大統領府は声明で、文在寅 大統領と北朝鮮の金正恩 党総書記は今年4月以降、数回書簡を交換し、通信線の再開と関係改善に向けた取り組みを進めていくことに合意したと述べた。

パク・スヒョン報道官は記者団に対し、「両首脳は相互の信頼を回復し、両国の関係を発展させていくことに合意した」と述べ、昨年遮断された南北通信連絡線を27日に再開したと明らかにした。

北朝鮮の国営メディアも韓国の発表に続いた。

朝鮮中央通信社は、「金正恩 党総書記は南北関係が後退と停滞からできるだけ早く回復することを望んでいる」と述べた。「南北の首脳は個人的な手紙のやり取りを通じて、遮断された南北通信連絡線を回復し、相互信頼を回復し、和解を促進することに合意した...」

AFP通信は、「両国は7月27日午前10時に全ての南北通信連絡線の運用を再開した」と報じた。

金正恩は昨年、韓国の活動家が国境を越えて反北朝鮮のチラシをバラまいたことと、それを阻止しなかった韓国政府に憤慨し、連絡線を遮断したうえで、両国の国境付近に設置された南北共同連絡事務所を爆破した。

一部の専門家は遮断と爆破について、「金正恩は文在寅 大統領が南北経済プロジェクトを復活させなかったことと、アメリカの経済制裁の緩和に向けた協議の中でドナルド・トランプ大統領(当時)を説得できなかったことに不満を募らせていた」と述べていた。

文在寅 大統領と金正恩は2018年に3回会談し、南北関係は改善に向け前進すると期待されていた。しかし、第2回米朝首脳会談が失敗に終わり、両国の関係も悪化した。

2022年に退任する文在寅大統領は、連絡線の復旧と北朝鮮の核およびミサイル計画の放棄に向けた協議の再開を求めていた。

南北を分断した朝鮮戦争は7月27日で休戦68周年を迎えた。両国は世界で最も要塞化された国境に沿って分裂したままであり、関係の改善に向けた取り組みが進展するかどうかは不明。アメリカは北朝鮮の侵略を阻止するために、兵士約28,500人を韓国に駐留させている。

2018年4月27日/北朝鮮と韓国の国境非武装地帯、金正恩 党総書記と文在寅 大統領(Korea Summit Press/Pool/AP通信)
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