◎ニュージーランド不動産研究所の統計によると、先月の住宅価格の中央値は73万NZドル(約5,800万円)、前年比プラス19.3%に跳ね上がったという。最大の都市オークランドでは100万NZドル(約7,900万円)に達した。
2018年8月13日 AP通信/ニュージーランド、クライストチャーチ

報告によると、コロナウイルスを見事に打ち負かしたニュージーランド政府は住宅価格の予期せぬ高騰に直面しているという。

ほとんどの専門家は、コロナウイルスの影響で住宅価格も深刻な影響を受けると予想していた。しかし、政府の感染予防対策は効果的に機能し、経済も予想よりはるかに早く回復したことなどを受け、住宅価格はこの1年で19%以上上昇した

政府はコロナが流行する以前から住宅供給などの問題で批判されていた。

2月25日、政府は国の中央銀行にあたるNZ準備銀行に住宅価格の高騰に対処するよう命じ、同行のエイドリアン・オー総裁は政府の助言と新しい指令を歓迎すると述べた。

NZ準備銀行は先日、住宅投資家への貸し付けを制限する独自の対策を発表している

しかし、一部の専門家は、政府およびNZ準備銀行がこれまでに発表した対策では、記録的な低金利と住宅の供給不足がもたらした価格上昇の勢いを抑えることはできないと指摘している。

ニュージーランドの住宅問題を詳述しているセンス・パートナーズのエコノミスト、シャムビール・イエクブ氏は記事の中で、「(価格高騰の抑制に向けた)動きは非常に喜ばしいことです」と述べた。

シャムビール・イエクブ氏:
「ただし、さらに強力な介入を実行しなければ、住宅価格はかなりの割合で上昇し続けると予想します」

ラジオRNZの取材に応じたアイリーン・ドナバン氏(25歳)は、婚約者と一緒に首都ウェリントンで6カ月間マイホームを探していると語った。ドナバン氏と婚約者は相続などで得たお金と日々の節約で資金を貯めたが、35のオープンハウスを見学し、打ち負かされたという。

イエクブ氏は、ニュージーランドは住宅、特に賃貸住宅を過去30年間十分に建設しておらず、深刻な住宅供給不足を招いたと指摘している。

住宅価格の高騰はマイホームを持っている人にとっては朗報だが、これから購入を考えている大多数の中間層と低所得者層にとっては非常に悩ましい問題である。

政府はコロナウイルスの拡散を阻止し、生活をほとんど正常な状態に戻すことに成功した。その結果、同国の2020年第4四半期GDPは前期から14%増加し、それ以前のマイナスをほとんど打ち消した。

今週、スタンダード&プアーズはニュージーランドのソブリン格付けを「AA+」引き上げている。コロナ禍でこのような信頼を得た先進国は同国だけである。しかし、コロナの成功は住宅市場を活性化し、マイホームの購入を夢見る市民を打ち負かした

ニュージーランド不動産研究所の統計によると、先月の住宅価格の中央値は73万NZドル(約5,800万円)、前年比プラス19.3%に跳ね上がったという。最大の都市オークランドでは100万NZドル(約7,900万円)に達した。

ニュージーランドの住宅価格は他の先進国と比較しても高く、さらに、欧米の同価格の住宅の大半で採用されている二重ガラス、セントラルヒーティング、その他の機能はほとんど備わっていない。

グラント・ロバートソン財務相は議会で、「上昇が続くとは思っていないが、現在の価格高騰に対処する措置を速やかに実行しなければならない」と述べた。

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