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ニュージーランドで初の鳥インフル、野鳥から検出、絶滅危惧種のワクチン接種始まる

政府は野鳥監視体制を強化するとともに、絶滅の危機にある固有種を守るため、予防的なワクチン接種を開始した。
鳥インフルエンザのサンプルとニワトリ(Getty Images)

ニュージーランド政府は15日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の国内初の感染事例を確認したと発表した。首都ウェリントン近郊の海岸で見つかった渡り鳥からウイルスが検出されたもので、政府は野鳥監視体制を強化するとともに、絶滅の危機にある固有種を守るため、予防的なワクチン接種を開始した。

ホガード(Andrew Hoggard)バイオセキュリティ担当相は記者会見で、「現時点で野鳥の大量死や家禽への感染拡大は確認されていない」と説明し、一般市民へのリスクは低いとの認識を示した。一方で、感染した渡り鳥が国内に飛来したことを受け、野鳥の監視や検査体制を一段と強化し、養鶏業界とも連携して防疫対策を進める方針を明らかにした。

政府は同時に、国を代表する希少鳥類を保護するためのワクチン接種計画を始動した。対象は約300羽の繁殖個体で、飛べない鳥として知られるタカヘや、世界最大級のオウムであるフクロウオウム(カカポ)など5種の絶滅危惧種が含まれる。これらの鳥は天敵の少ない環境で進化したため、地上で営巣する習性や病原体への抵抗力の弱さから、新たな感染症に極めて脆弱とされている。

今回使われるワクチンは昨年実施された試験で副作用は確認されなかったものの、野生個体に対する感染予防効果については十分なデータが蓄積されていない。このため政府は、接種後も健康状態や抗体の推移を継続的に観察し、有効性を検証していく考えだ。専門家は感染が急速に広がれば固有種の個体数回復に深刻な影響を及ぼしかねないと警戒している。

H5N1は2021年以降、世界各地で野鳥や家禽の間に広がり、哺乳類への感染例も相次いで報告されている。近隣のオーストラリアでも今年に入り感染が確認され、ニュージーランドはこの地域の中で最後まで感染を免れていたが、今回初めて国内への侵入が確認された。

ニュージーランドは固有種の割合が世界でも高く、生態系の保全を重要な政策課題としてきた。政府は野鳥の死骸を見つけても素手で触れず、当局へ通報するよう国民に呼びかけている。今後、渡り鳥を通じた感染拡大を防ぎながら、家禽産業への被害を抑制するとともに、希少な固有種をいかに守るかが課題となる。

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