ミャンマー当局、6億ドル相当の違法薬物を焼却処分
焼却された薬物は50トンを超え、最大都市ヤンゴン郊外では黒煙が空高く立ち上った。
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ミャンマー当局は26日、国連の「国際麻薬乱用・不正取引防止デー」に合わせ、押収したヘロインや覚醒剤、ケタミンなど総額約6億ドル相当の違法薬物を焼却処分した。焼却された薬物は50トンを超え、最大都市ヤンゴン郊外では黒煙が空高く立ち上った。
警察によると、処分された薬物にはヘロイン、アヘン、メタンフェタミン(覚醒剤)、結晶メス、ケタミン、大麻などが含まれる。ヤンゴンだけでも31種類、約3億2100万ドル相当の薬物が焼却されたほか、第2の都市マンダレーや東部シャン州でも同様の処分イベントが行われた。今年焼却された薬物の末端価格は前年の2倍を超え、違法薬物の流通規模が拡大している実態が浮き彫りとなった。
ミャンマーは長年にわたり、東アジアや東南アジア向け違法薬物の主要供給地として知られてきた。特にシャン州を中心とする「ゴールデン・トライアングル」は世界有数の麻薬生産地であり、ヘロインや覚醒剤の製造が続いている。2021年の国軍によるクーデター以降、民主派勢力や少数武装組織との内戦が激化し、政治・経済の混乱が深刻化したことで、専門家は薬物生産がさらに拡大したと分析している。
政府は今年1月、シャン州北部で過去最大規模となる薬物製造拠点12カ所を摘発し、大量の薬物や製造設備を押収したと発表した。政府は少数民族勢力の一部が麻薬取引による利益を資金源にしていると主張する。和平交渉に消極的なのも、薬物取引による莫大な利益を失いたくないためだと説明している。ただし、すべての武装勢力が薬物取引に関与しているわけではなく、自ら麻薬対策を進める勢力も存在する。
その一例として、シャン州北部で大きな影響力を持つタアン民族解放軍(TNLA)は26日、約550万ドル相当の違法薬物を独自に焼却処分すると発表した。同組織は国軍との戦闘を続けた後、昨年停戦に合意。支配地域で薬物取締りを進める姿勢を示している。
今回の大規模な焼却処分は政府が違法薬物対策を国内外に示す象徴的な取り組みとなった。しかし、内戦の長期化や統治の空白が続く中では、薬物生産や密売の根本的な抑制は難しい。専門家は治安の回復や政治的安定、地域経済の再建が進まない限り、ミャンマーが世界有数の麻薬供給地という現状を抜け出すことはできないと指摘している。
