◎最大の都市ヤンゴンに集まった市民は国家顧問のアウンサンスーチー氏の解放を求めて行進し、別の集団は車道に車両を放置し、軍と警察の接近を防いだ。
◎アウンサンスーチー氏はトランシーバーを違法に密輸し所持したという意味不明な言いがかりで起訴され、さらに、コロナウイルス関連のルールを無視した容疑でも起訴された。
2021年2月17日 AP通信/ミャンマー、ヤンゴン

2月17日、ミャンマー軍のクーデターに抗議する集会は勢いを増し、最大の都市ヤンゴンには数万人、第二の都市マンダレーや首都ネピドーなどでも数万人規模の抗議集会が開催された。

国連はミャンマー軍の厳しい取り締まりを懸念しているが、市民は軍の圧力と暴力には屈しない姿勢を示している。

ヤンゴンに集まった市民は国家顧問のアウンサンスーチー氏の解放を求めて行進し、別の集団は車道に車両を放置し、軍と警察の接近を防いだ。

最高指導者に就任したミン・アウン・フライン司令官は5人以上の集会を法律で禁じたが、市民はこれを却下し、大規模な集会を連日開催している。

車道に車を放置した男性は現地メディアの取材に対し、「私の車は軍事政権をブロックするために故障しました。私たちは軍の支配を望んでいません」と述べた。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は先日の声明で、「軍は法律を改正し、抗議集会を厳しく取り締まろうとしています。私たちは軍が大きな犯罪を犯す可能性があることを恐れています」と述べた。

現地メディアによると、17日の夕方までに大規模な暴力は確認されなかったという。

2021年2月17日 AP通信/ミャンマー、ヤンゴン
2021年2月17日 AP通信/ミャンマー、ヤンゴン

マンダレーの住民によると、17日の午後8時頃に数十人の警察官と兵士が国営鉄道労働者の住居周辺で取り締まりを行い、銃声が聞こえたという。鉄道労働者は抗議への支持を表明し、一部でストライキを開始したため、攻撃にさらされる可能性がある。

軍が取り締まりを強化した先週以来、各地で警察もしくは軍のものと思われる銃撃やゴム弾による攻撃の報告が相次いで寄せられている。

軍は昨年11月の民主的な選挙で選出された議会の招集日(2月1日)にクーデターを決行し、国民民主連盟(NLD)の関係者を拘束した。

ミン・アウン・フライン司令官は声明で、「NLDは選挙で不正を働き、数百万票を捏造したため、クーデターで対処せざるを得なかった」と述べたが、国の選挙委員会はこの主張を却下している。

首都ネピドーに集まった銀行員、公務員、医療関係者、少数民族などを含む数万人は、アウンサンスーチー氏と政府高官の解放を求めて大通りを行進した。

マンダレーの繁華街で取り締まりを行った治安部隊は、ゴム弾とスリングショットを使って抗議者を打ち負かした。現地メディアによると、一連の攻撃で数人が負傷したという。

一方、反抗的な警察はスーチー氏に新たな罪をなすりつけた。弁護士によると、スーチー氏は2度目の告発に直面しているという。

スーチー氏はトランシーバーを違法に密輸し所持したという意味不明な言いがかりで起訴され、さらに、コロナウイルス関連のルールを無視した容疑でも起訴された

また、国営テレビによると、軍は抗議集会を公に支持した俳優や監督などの著名な芸能人を17日に告発したという。芸能人たちは、法執行機関の職務を妨害または妨害することを目的とした行動を取った罪で起訴された。

軍は16日深夜に3日連続で全土のインターネットを遮断した。これにより、17日の午前1時から午前9時までソーシャルメディアは使用できなくなった。

専門家によると、軍はソーシャルメディアなどへの投稿を監視またはブロックできるファイアウォールを設置した可能性があるという。なお、軍はインターネットを一時的に遮断した理由を明らかにしていない。

2021年2月17日 AP通信/ミャンマー、マンダレー
2021年2月17日 AP通信/ミャンマー、マンダレー
スポンサーリンク