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米ロングアイランド鉄道スト、ニューヨーク州知事が労使交渉再開促す

ストの主な争点は賃金と医療保険負担である。
2026年5月16日/米ニューヨーク州のグランドセントラル駅(AP通信)

ニューヨーク州で北米最大の通勤鉄道である「ロングアイランド鉄道(LIRR)」が全面的に停止し、州政府と労働組合の対立が激化している。運営主体であるメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)との労使交渉が決裂し、約3500人の労働者がストライキに突入したことで、同路線は運行停止に追い込まれた。週末に始まったこのストは約30年ぶりの大規模なもので、ニューヨーク市とロングアイランドを結ぶ通勤網が麻痺状態となっている。

ストの主な争点は賃金と医療保険負担である。労組側はインフレによる生活費上昇を理由に大幅な賃上げを求めているのに対し、MTA側は財政負担の増大を理由に抑制的な回答にとどめている。交渉は数カ月にわたって続けられてきたが合意に至らず、最終的に複数の労組が同時に職場放棄に踏み切った。

これにより約25万人の通勤客に影響が出ており、ニューヨーク市内へのアクセスは自動車や代替交通機関に大きく依存せざるを得ない状況となった。主要駅では列車の発着が完全に停止し、案内表示には「運行なし」の表示が並び、構内は閑散としている。

事態を受け、ホークル(Kathy Hochul)州知事は両者に対し、交渉再開を強く呼びかけ、緊急会見を開いて早期解決の必要性を訴えた。知事は通勤者に対して在宅勤務の活用も要請しているが、建設業や医療など現場勤務が必要な職種には代替手段が限られている。

MTA側はシャトルバスの運行など代替策を講じているものの、通常の輸送量をまかなうには不十分である。一方、労組側は「提示された条件は不十分であり、長期の物価上昇に見合わない」と主張し、強硬姿勢を崩していない。

専門家はストの長期化が地域経済に大きな影響を与える可能性があると指摘し、特に鉄道に依存するニューヨーク都市圏の交通混乱と経済損失の拡大が懸念されている。交渉再開の見通しは立っておらず、政治的圧力の中で早期解決が求められる状況が続いている。

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