UAEの原子力発電所にドローン飛来、火災発生、放射線レベルに変化なし
UAE当局によると、複数のドローンが同時に飛来し、このうち少なくとも1機が電気設備を直撃した一方、他の機体は撃墜された。
の原子力発電所(Getty-Images).jpg)
アラブ首長国連邦(UAE)は17日、首都アブダビ近郊にあるバラカ原子力発電所の敷地付近でドローンによる攻撃が発生し、火災が起きたと発表した。攻撃は発電所の境界の外にある電気設備を直撃し、出火したが、負傷者はなく放射線レベルにも変化はないという。施設の原子炉は通常通り稼働を続けている。
UAE当局によると、複数のドローンが同時に飛来し、このうち少なくとも1機が電気設備を直撃した一方、他の機体は撃墜された。攻撃の発生源や実行主体は特定されておらず、当局が調査を進めている。UAEはこれまでにもイランやその関連勢力がエネルギー施設などを標的に攻撃を行ってきたと非難しており、今回の事案も地域紛争の延長線上にある可能性が指摘されている。
バラカ原発はUAE唯一の原子力発電所で、2020年に稼働した。首都圏の電力供給の約4分の1を担う重要インフラで、韓国企業の協力のもと約200億ドルを投じて建設された。同原発が攻撃対象となったのは米イラン戦争が始まって以来初めてとされる。
国際原子力機関(IAEA)は17日、攻撃により施設の電気設備で火災が発生したことを確認し、緊急用ディーゼル発電機により一部設備がバックアップ運転に切り替えられたと明らかにした。そのうえで、原子力施設への攻撃は重大な懸念を引き起こすとして自制を求めた。
UAE政府は今回の攻撃を「テロ」と位置付ける可能性にも言及し、必要に応じて対応する権利を有すると強調した。ただし、現時点で具体的な報復措置は示していない。周辺地域ではイランと米国・イスラエルを含む対立が続いており、ドローンやミサイルによる攻撃の応酬が拡大している。
専門家は原子力施設が紛争地域の攻撃対象となること自体が国際安全保障上の重大なリスクであると指摘している。今回の事案は核施設の安全性そのものには影響を与えなかったものの、偶発的な事故や被害拡大につながる危険性を浮き彫りにした。地域の緊張が続く中、エネルギーインフラをめぐる軍事的リスクは一層高まっている。
