◎ミャンマー最大の都市ヤンゴンと第二の都市マンダレーで5人以上の集会を開催することはできなくなり、20:00~04:00の間の外出が禁止された。
2021年2月8日 EPA通信/ミャンマー、首都ネピドー

2月8日、ミャンマーを支配した軍事政権の最高指導者は軍事クーデターに反対する平和的な抗議を取り締まるために、2つの都市で夜間外出禁止令と集会禁止令を発効した。

これにより、ミャンマー最大の都市ヤンゴンと第二の都市マンダレーで5人以上の集会を開催することができなくなり、20:00~04:00の間の外出が禁止された。

この日、警察は首都ネピドーの抗議集会で放水砲を使用し、抗議者を厳しく取り締まった。一方、抗議者たちは中心部の交差点などで集会を開き、抵抗の象徴になった三指のサインとミン・アウン・フライン司令官に反対するプラカードを掲げ、抗議した。

国の北部、南東部、東部の町でも数百から数千人規模の抗議活動が確認されている。

今回発効された2つの命令は他の地域に拡大する可能性がある。

ミン・アウン・フライン司令官率いる軍は2月1日早朝に軍事クーデターを決行し、昨年11月の選挙で圧勝した国民民主連盟(NLD)の高官と国家顧問のアウンサンスーチー氏を拘束した。

軍は証拠を提供せずに11月の選挙で不正があったと繰り返し主張してきたが、国の選挙委員会はこの申し出を先月末に却下している。

ミン・アウン・フライン司令官はクーデター以来初となるテレビ演説を行い、抗議者が治安を乱し国の安全を脅かしていると主張した

ミン・アウン・フライン司令官:
「規律がなければ民主主義は崩壊する可能性がある。私たちは国の安全、治安、法の支配を脅かす行為を厳しく取り締まる」

「選挙委員会は11月の選挙における不正を調査せず、公正な選挙を踏みにじった。私たちは1年以内に新しい選挙を行い、勝者に権力を移行する。次の選挙は新しい選挙委員会が監督するだろう

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア副局長、フィル・ロバートソン氏は軍の主張と新たな法令について、「民主主義と法の支配を踏みにじった軍事クーデター政府が、平和的な抗議者を取り締まる権利があると主張することは間違っており、馬鹿げている」と述べた。

2021年2月8日 AP通信/ミャンマー、首都ネピドー

ミン・アウン・フライン司令官は約20分のテレビ演説の中で、11月の選挙の不正と選挙委員会も不正を働いたと繰り返し主張し、軍事クーデターはこれに対処する「正当な乗っ取り」と述べた。

2月7日、数万人の抗議者がヤンゴンのスーレーパゴダに集結した。ここは、軍事政権に対する蜂起(1988年)と反乱(2007年)の中心地だった。当時、軍は蜂起を抑え込むために武力を行使している。

ミャンマーと市民の自由のために戦い、民主主義の象徴になったアウンサンスーチー氏は現在も自宅軟禁下に置かれている。

ミャンマー国内の逮捕者を確認する政治囚人支援協会によると、2月1日の軍事クーデター以来、165人の政治家が拘束され、そのうち13人が解放されたという。

オーストラリアのメディアは、アウンサンスーチー氏の顧問を務めた同国のマッコリ―大学のエコノミスト、ショーン・ターネル氏が6日に拘束されたと報じた。

同国のマライズ・ペイン外相は8日の声明で、「ターネル氏はミャンマーで活躍する顧問兼学会のメンバーで、現在、領事館の支援を受けている」と述べた。

ミャンマー クーデターから1週間 3日連続で抗議デモ(2021年2月8日)

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