マレーシア外相、国連UNHCRに役割の見直し求める、不法移民問題
ハサン氏の発言は、首都クアラルンプール市内のUNHCR事務所前で100人以上のロヒンギャ難民申請者が保護を求めて集まり、当局に一時拘束されたことを念頭に置いている。
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マレーシアのハサン(Mohamad Hasan)外相は28日、国内で活動する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の役割について、見直しを検討すべきとの考えを示した。難民認定や登録手続きをUNHCRだけに委ねる現行制度を改め、政府当局と共同で審査を行う体制への移行を求めたもので、応じない場合にはUNHCRの駐在継続そのものを再検討する可能性にも言及した。
ハサン氏の発言は、首都クアラルンプール市内のUNHCR事務所前で100人以上のロヒンギャ難民申請者が保護を求めて集まり、当局に一時拘束されたことを念頭に置いている。
移民たちは北部ペナン州の居住地を離れ、支援を求めてクアラルンプールに入った。警察は拘束後、全員が有効なUNHCR登録証を所持していることを確認し、一時的に警察施設に収容したと表明。UNHCRは当局と連携し、本人確認や代替住居の確保を進めていると説明した。
マレーシア政府は近年、難民管理を国主導に移行する方針を強めている。今年1月には独自の難民登録制度を導入し、7月にはUNHCRに対して新規難民登録の一時停止を要請した。
政府は身元確認や情報管理を一元化することで、不法移民の流入を抑制し、安全保障上の管理を強化したい考えだ。一方、UNHCRは新制度を国主体の保護体制構築に向けた一歩と評価しつつも、難民の保護や第三国定住支援を継続する姿勢を示している。
マレーシアは1951年の「難民の地位に関する条約」に加盟しておらず、国内法上は難民や庇護申請者を正式に認める制度を持たない。このため、UNHCRが難民認定や登録証の発行を担い、登録者は拘束や強制送還を一定程度回避できる一方、就労や公教育を受ける権利は原則として認められていない。現在、国内には約21万5000人の登録難民・庇護申請者がおり、その半数以上をミャンマーから逃れてきたイスラム系少数民族ロヒンギャが占める。
近年はロヒンギャを対象とするインターネット上の誹謗中傷や偽情報が拡散し、社会的な反発も強まっている。政府はUNHCRによる登録制度が難民流入を促しているとの認識を示しているが、人権団体は保護体制の縮小が迫害から逃れてきた人々をさらに危険な立場へ追い込む恐れがあると懸念を表明している。
政府による難民管理の強化と国際機関による人道支援をいかに両立させるかが大きな課題となりそうだ。
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