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インド・カルナータカ州、タクシーやオートリキシャ運転手に現地語習得を要求

カルナータカ州の州都ベンガルールは、インド有数のIT都市として急速に発展してきた。
インド、首都ニューデリー(Getty Images)

インド南部カルナータカ州で、タクシーや三輪タクシー「オートリキシャ」の運転手に対し、現地語であるカンナダ語を習得するよう求める動きが進んでいる。州政府は公共交通に携わる運転手が乗客と基本的な意思疎通を図れるようにすることを目的として、一定期間内にカンナダ語を学ぶことを求める方針を示した。対象となる運転手には習得のための1年間の猶予が与えられる。

カルナータカ州の州都ベンガルールは、インド有数のIT都市として急速に発展してきた。国内各地から労働者や学生が集まるだけでなく、外国企業の進出も相次いでおり、英語やヒンズー語など、カンナダ語以外の言語を使う人も多い。その一方で、地元住民の間では、都市の急速な国際化によって州固有の言語や文化が軽視されることへの懸念が強まっている。

今回の政策には、単なる語学教育以上の意味がある。タクシーやオートリキシャは、住民や観光客が日常的に利用する身近な公共交通手段であり、運転手と乗客が意思疎通できることは安全面でも重要だ。料金や目的地、道路事情などについて十分に説明できなければ、トラブルにつながる可能性もある。州政府は運転手が最低限のカンナダ語を理解し、利用者とのコミュニケーションを円滑にできる状態を目指している。

一方、この方針をめぐっては、移民労働者や他州出身者への負担が大きくなるとの懸念も出ている。ベンガルールにはインド各地から多くの人が仕事を求めて移り住んでおり、タクシーやオートリキシャの運転手にも州外出身者が少なくない。新たに言語を学ぶための時間や費用を誰が負担するのか、また、習得できなかった場合にどのような扱いを受けるのかについても、制度設計が重要になる。

カルナータカ州では以前から「カンナダ語を守るべきだ」という言語保護運動が活発で、商店の看板や行政サービスなどをめぐっても、カンナダ語の使用を求める声が上がっていた。背景には、英語やヒンズー語の存在感が高まるなかで、地域言語が社会の中で相対的に弱くなることへの危機感がある。

ただし、言語政策が強制色を強めれば、州内に暮らす他地域出身者との摩擦を生む可能性もある。多言語国家のインドでは、言語は単なるコミュニケーション手段ではなく、地域の文化やアイデンティティーと深く結びついているためだ。

今回の1年間という猶予期間は、運転手側に適応する時間を与えると同時に、州政府が地域言語教育をどこまで支援できるかを問う期間でもある。カンナダ語の保護と、国内各地から人材が集まる大都市としての開放性をどう両立させるのか。

ベンガルールの発展が続くなか、カルナータカ州は地域文化の維持と多様性の受容という難しい課題に直面している。

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