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中国・少林寺元住職に懲役24年、横領罪など、CEO僧侶失脚

少林寺は1500年以上の歴史を持ち、年間数百万人が訪れる中国有数の観光地でもある。
カンフーのイメージ(Getty Images)

中国・河南省の裁判所は「少林拳」の総本山として知られる少林寺の元住職、釈永信(シー・ヨンシン)被告に対し、横領や収賄などの罪で懲役24年の実刑判決を言い渡した。国営メディアが29日に報じた。釈被告は寺院資金の不正流用や贈収賄を長年にわたり繰り返したとされ、中国国内では「カンフー寺院」の象徴的人物の失脚として大きな注目を集めている。

判決によると、釈被告は約30年にわたり住職としての地位を利用し、少林寺関連の資金およそ3億元(約70億円)を横領・流用したほか、建設事業などを巡って賄賂の授受を行っていた。裁判所は「犯罪額が極めて大きく、社会への悪影響も深刻だ」と指摘し、厳罰が相当だと判断した。被告には350万元(約8200万円)の罰金も科された。釈被告は法廷で罪を認め、控訴しない意向を示したという。

釈被告は1965年生まれ、本名は劉応成(リュウ・オウセイ)。1981年に出家し、1999年に少林寺住職に就任した。少林寺は中国禅宗の名刹として知られるだけでなく、中国武術の発祥地として世界的な知名度を持つ。釈被告は海外公演や映画、観光事業などを積極的に展開し、少林寺ブランドを国際的に拡大させた人物として知られていた。一方で、寺院運営を商業化しすぎているとの批判も強く、「CEO僧侶」と呼ばれることもあった。

事件の発端は2025年7月、少林寺側が釈被告について「重大な犯罪容疑で調査を受けている」と公表したことだった。当時の発表では、寺院資産の不正流用に加え、複数の女性と長期間にわたり不適切な関係を持ち、子どもをもうけていた疑いも指摘された。これを受け、中国仏教協会は即座に僧籍を剥奪した。協会は今回の判決後、「自ら招いた結果だ」とする声明を発表している。

中国では近年、宗教界や文化機関に対する腐敗摘発が強化されている。習近平政権は「宗教の中国化」を掲げ、宗教団体への統制を強める一方、腐敗撲滅運動を進めてきた。少林寺のような著名寺院も例外ではなく、今回の事件は宗教界における商業化や権力集中の問題を改めて浮き彫りにした形だ。

少林寺は1500年以上の歴史を持ち、年間数百万人が訪れる中国有数の観光地でもある。カンフー映画やゲームなどを通じて世界的な文化ブランドとなった一方、近年は企業経営のような運営体制がたびたび議論を呼んでいた。SNS上では今回の判決に対し、「罪には罰が必要だ」と支持する声が上がる一方、「少林寺の精神そのものが失われた」と嘆く意見もみられる。釈被告の失脚は中国宗教界における象徴的事件として長く記憶されそうだ。

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