◎恒大集団は3日、「会社の義務を遂行するうえで必要な資金を確保できる保証はない」と声明を発表した。
2021年10月4日/香港の恒大集団ビル(Vincent Yu/AP通信)

12月3日、中国の不動産開発大手「恒大集団」は、債務の返済に必要な資金を確保できない可能性があると警告した。

共産党指導部は恒大集団に3,000億ドル(約33兆円)以上の債務を計画的に処理するよう命じているが、同社は債券利息の支払いにひどく苦労しており、一部の経済アナリストは、同社が進行中の問題を適切に処理できなかった場合、共産党の介入(借金踏み倒し)もあり得ると指摘した。

習近平 国家主席は国内の富を全国に広げ、富裕層と貧困層のギャップを埋める「先富論」を推進しているため、恒大集団に投資した銀行や投資家を犠牲にしてでも住宅購入者を支援する可能性が高いと一部の専門家は予想している。

恒大集団は未完成の開発プロジェクトを1,300件以上抱えており、100万人以上が新居への引っ越しを待っている。

恒大集団は香港証券取引所を通じて声明で、「会社の義務を遂行するうえで必要な資金を確保できる保証はない」と述べた。

また同社は2億6,000万ドル(約300億円)の債券利息を処理する必要があると述べ、支払うことができなかった場合、他の債券保有者から利息の支払いを要求される可能性があると述べた。

恒大集団の声明発表からまもなく、中国証券監督管理委員会はウェブサイトに、「中国の金融システムは強力であり、当局は恒大集団のリスクが市場に与える影響を制御できる」と投稿し、投資家の不安を和らげようとした。

中国の中央銀行と銀行規制当局も同様の声明を発表した。

共産党は2018年以来、金融リスクの軽減を経済政策の柱のひとつに掲げている。当局は2014年に初めて社債のデフォルトを許可したが、借り手と投資家が規律を守ることでデフォルトは回避できると信じられていた。

しかし、中国の企業と政府の総債務は2018年の年間経済生産高の約270%に達し、2020年はほぼ300%に増加した。エコノミストたちは恒大集団の混乱が金融危機につながる可能性は低いと予想しているが、中国経済を牽引してきた主要企業の債務の増加は投資と消費を抑え、経済成長に悪影響を与える可能性がある。

恒大集団の資産(株や建物など)は約3,500億ドル(約40兆円)と伝えられているが、同社はそれを現金化することに苦労している。昨年10月には子会社の株式26億ドルの売却を中止した。

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