◎イギリスの規制当局は今月初めに中国の放送局CGTNの英国内における放送ライセンスを取り消しており、今回のBBCブロックはその報復措置と考えられている。
2021年2月4日 AP通信/中国、北京

報道によると、中国の規制当局は英BBCワールドニュースの国内放送を停止したという。

中国は新疆ウイグル地区の弾圧に関するBBCの報道を非難していた。

中国国内におけるBBCワールドニュースの放送エリアは外国人向けのホテルや集合住宅のケーブルテレビなどに限定されていたため、大きな混乱は発生していないという。

イギリスの規制当局は今月初めに中国の放送局CGTNの英国内における放送ライセンスを取り消しており、今回のBBCブロックはその報復措置と考えられている。

規制当局は声明の中で、「BBCワールドニュースの報道は真実かつ公平であるという要件に違反し、中国の国益と民族的連帯を損なっている」と述べた。

共産党指導部は中国国内におけるコロナウイルスの感染状況、イスラム系少数民族ウイグル人の大量虐殺問題、その他の民族グループの弾圧問題などに関するBBCの報道を全て却下している。

中国国内で活動するBBC記者が影響を受けるかどうかは分かっていない。

ウイグル人の大量虐殺で世界から非難されている独裁者の習近平 指導部は昨年、トランプ前大統領とのマッチアップの末、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズの外国人記者を追放した。

イギリスのドミニク・ラープ外相は書面による声明でこの報復を「メディアの報道の自由を損なう容認できない措置」と呼び、「中国の評判を損なうだけだ」と非難した。

香港の国営放送局RTHKも2月12日にBBCワールドニュースの国内放送を停止すると発表した。

2月4日、イギリスの通信監視機関のオフコム(Ofcom)は、中国の英語衛星ニュースチャンネルCGTNの放送ライセンスを取り消した。取り消した理由は、CGTNと共産党指導部の関与が疑われたためである。

中国外務省のスポークスマンはオフコムの措置について、「イデオロギー的偏見に基づいており、極めて遺憾」と述べた。

Getty Images/BBCニュースのロゴ

CGTNはイギリスの放送ライセンスを死守したいと考えていた。これは共産党指導部が自国の「操作された」情報を海外に広める努力のひとつである。CGTNは西ロンドンに欧州のオペレーションハブを持っており、重要な情報発信源になっていた。

米国務省のスポークスマン、ネッド・プライス氏は、「中国の指導部は海外の自由で開かれたメディア環境を利用して誤った情報を発信している」と述べ、中国国内のメディア活動が制限されていることに懸念を示した。

中国の規制当局によると、1年間はBBCの放映申請を受け付けないという。

BBCは中国国内における放送ライセンスの停止について、次のように述べた。
「中国当局の決定に失望しています。BBCは世界で最も信頼されている国際ニュース放送局であり、世界中の情報を公正、公平、恐れや好意なしに報道しています」

BBCワールドニュースは世界中で放送されているが、中国では一部のホテルや施設でのみ視聴を許可されていたため、大半の中国人はほとんど目にする機会がなかった。

中国とイギリスの関係は香港をめぐる問題で急速に悪化している。共産党指導部は香港の市民を打ち負かす国家安全法を昨年施行した。

先月、イギリス政府は香港市民向けの新しいビザを導入した。これを取得した者は、最終的にはイギリスの市民権を得ることができる。

今月初め、BBCニュースは新疆ウイグル自治区に設置された「中国の再教育キャンプ」で阻止的なレイプ、性的虐待、拷問を受けたというウイグル人女性のインタビュー記事を掲載した。

中国外務省はこの記事を却下してうえで、「BBCは虚偽の報告を行い、中国を貶めている」と非難した。

世界の主要メディアによると、100万人以上のウイグル人やイスラム系少数民族の市民が収容所に拘留されているという。

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