◎オーストラリアのカジノでは犯罪行為が蔓延していると噂されており、カジノ事業者に改革を求める圧力がかかっている。
オーストラリアのカジノ(Getty-Images)

オーストラリア政府は17日、ゲーム・エンターテイメント大手スター・エンターテイメント・グループ(Star Entertainment Group)に1億豪ドル(約930億円)の罰金を科し、カジノの運営ライセンスを停止した。

スター社は最大都市シドニーのカジノで資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した可能性があるとして調査を受けていた。

ニューサウスウェールズ州(NSW)の調査委員会は声明で、「スター社は資金洗浄を阻止できなかった」と述べ、罰金を科し、ライセンスを停止した。

豪のカジノでは犯罪行為が蔓延していると噂されており、カジノ事業者に改革を求める圧力がかかっている。

委員会は今年初めに行われた公聴会の中で、「スター社はシドニーのカジノで犯罪組織の資金洗浄を常態化させ、軽率なアプローチをとり、時にはその痕跡を消そうとしていた」と明らかにした。

犯罪組織は違法取引で得た現金をカジノでコインに変え、それを現金に戻すことで「警察に追跡されない現金」を手に入れることができる。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、今回の罰金額はカジノ事業者に対する罰金としては過去最高額。一部メディアはライセンス剥奪もあり得ると報じていたが、委員会はスター社で働く数千人の従業員を守るために、停止処分とした。

これにより、スター社のカジノは規制当局が任命したマネージャーの下で運営されることになった。

NSW調査委員会は声明の中で、「同社は21日からライセンスが回復するまで、カジノの運営に関与できない」と述べている。

委員会は先月公表した最終報告書の中で、「スター社はカジノ運営者に適していない」と結論付けた。

委員会は報告書の中で、「この会社の組織的な傲慢さは、息を呑むほどである」と述べている。

スター社はこの報告を受け、緊急の是正措置を講じ、信頼を回復するために必要なことは何でもすると表明している。

委員会はスター社について、「問題解決には時間がかかると思われるが、新CEOの下で改革の兆しを見せている」と報告している。前CEOは今年初めの公聴会後に辞任した。

クイーンズランド州でも同様の調査が行われており、同州の委員会は今月初め、3つのカジノに問題があることを確認した。

地元メディアは国内のカジノの不正行為疑惑を追跡しており、その中には豪最大のゲーム・エンターテイメントグループ「クラウン・リゾーツ」が所有するカジノも含まれている。

クラウン・リゾーツは今年初め、犯罪行為を阻止できなかったとして、ビクトリア州当局から罰金を科されている。

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