◎東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの支配下に移ったが、1968年以降は東西ともイスラエルの実行支配下に置かれている。
イスラエル、エルサレムの旧市街(Ammar Awad/ロイター通信)

オーストラリア政府は18日、エルサレムをイスラエルの首都と認めた前政権の決定を覆すと発表した。

イスラエルの首都はテルアビブである。

ウォン(Penny Wong)外相は声明で、「政府はイスラエルとパレスチナの問題を解決すべき、という豪のこれまでの立場を再確認した」と述べた。

またウォン氏は前政権の決定を後悔しているとしたうえで、「これはエルサレムをイスラエルの首都と承認した前政権の決定を覆すものである」と強調した。

エルサレムはイスラエルとパレスチナの和平を阻む最大の障壁である。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む「東エルサレム」を占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。

イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。

東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの支配下に移ったが、1968年以降は東西ともイスラエルの実行支配下に置かれている。

モリソン(Scott Morrison)前首相は2018年、米国が西エルサレムに大使館を移転させた後、これに追従した。

この決定は親パレスチナ派と野党労働党から広く批判を浴びた。

ウォン氏は、「モリソン氏が政治的な駆け引きをした結果、豪の立場が変わってしまったことを遺憾に思う」と述べた。

また、「アルバニージー政権はイスラエルとパレスチナの問題解決に向けた国際社会の努力にコミットする」とした。

これにより、モリソン政権が決定した西エルサレムへの大使館移転計画も白紙となった。

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