◎利上げ発表後も豪ドルの取引に大きな動きはみられなかった。
オーストラリア、シドニーの商店街(Getty Images)

オーストラリア準備銀行(中銀)は6日、主要政策金利を0.25%引き上げ、3.1%とした。

豪の利上げは欧米諸国に比べると緩やかで、消費者物価指数(CPI)も6%台にとどまっている。

同行のロウ(Philip Lowe)総裁は声明で、「インフレ率6.9%は高すぎる」と述べ、利上げに理解を求めた。豪の目標インフレ率は2~3%である。

またロウ氏はインフレの要因を世界経済と説明する一方、豪の内需は回復傾向にあると指摘した。

ロウ氏によると、今年CPIは8%まで上昇し、来年は低下する見通しだという。

ロウ氏は声明の中で、「インフレ率を目標の値に戻すために、必要なことをする」と述べた。また、来年と2024年の経済成長率は1.5%程度と予想していると明らかにした。

政府の統計によると、10月の完全失業率は3.4%。1974年以来の水準にまで低下し、多くの企業が労働力の確保に苦労しているという。

ロウ氏は利上げを継続する見通しと説明したが、規模とタイミングは経済の動向を見て判断するとした。

エコノミストは利上げが続くと予想している。

利上げ発表後も豪ドルの取引に大きな動きはみられなかった。ベンチマークのS&P/ASX 200は0.5%下落した。

チャルマーズ(Jim Chalmers)財務相は6日の記者会見で、「豪の経済は比較的安定しているが、ウクライナ侵攻などのコントロールできない要素に左右される可能性もあり得る」と述べた。

またチャルマーズ氏は主要政策金利の引き上げにより、多くの家庭が住宅ローンの返済に追われることになると指摘した。

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