オーストラリア、政府直轄のAI新組織を設置へ、省庁横断で施策推進
オーストラリアでは現在、AIを包括的に規制する法律は整備されておらず、個人情報保護法や消費者保護法など既存の法制度に加え、自主的なAI倫理指針を活用する形で対応している。
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オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は14日、人工知能(AI)に関する政策や規制を政府全体で一元的に調整する新組織「AIオフィス(Office of AI)」を首相・内閣府内に設置すると発表した。AIの急速な普及を受け、各省庁にまたがる政策を統括するとともに、企業にとって予見可能な規制環境を整備し、国内外からの投資呼び込みを狙う。
AIオフィスはAIの標準策定や政策立案を主導するほか、産業、雇用、教育、安全保障、著作権、サイバーセキュリティなど幅広い分野で各省庁の取り組みを調整する役割を担う。政府はAIが経済成長や行政サービスの効率化に大きく貢献する一方、雇用への影響や誤情報の拡散、国家安全保障上のリスクなども高める可能性があるとみており、政府横断の対応体制が不可欠だと判断した。
アルバニージー氏は声明で、AIを航空や遺伝子工学と並ぶ社会を大きく変える技術と位置付け、「国全体で一貫したルールづくりが必要だ」と強調した。また、明確な規制の枠組みを示すことで企業の負担を軽減し、新たなデータセンターやAI関連事業への投資を後押しする考えを示した。政府はAI関連インフラの整備に向け、データセンター建設などの手続きを迅速化する方針も打ち出している。
オーストラリアでは現在、AIを包括的に規制する法律は整備されておらず、個人情報保護法や消費者保護法など既存の法制度に加え、自主的なAI倫理指針を活用する形で対応している。今回のAIオフィス設置は、こうした分散的な制度を整理し、より統一的な政策運営を進めるための一歩と位置付けられる。
一方で、AIの学習に著作物が利用される問題を巡っては、クリエーターや文化産業から権利保護を求める声が強まっているほか、データセンターの電力消費や環境負荷への懸念も指摘されている。政府は経済成長とイノベーションを促進しながら、安全性や透明性、国民の権利保護との均衡を図る考えで、産業界や研究機関、国際的なパートナーとも連携しながら制度設計を進める方針だ。
