オーストラリアで鳥インフルによる野鳥大量死、国内初、警戒強まる
オーストラリアでは6月に本土で初めてH5N1感染が確認され、7月には在来種の海鳥への感染も明らかになった。
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オーストラリア政府は8月3日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)による国内初の野鳥大量死を確認したと発表した。南オーストラリア州アデレード南方沖にある小島群で、オオアジサシ約50羽の死骸が見つかり、検査の結果、49羽の死骸と35羽の生体からH5N1ウイルスが検出された。オーストラリアでH5N1による集団死が公式に確認されたのは初めてであり、政府は野生動物への感染拡大に強い警戒感を示している。
コリンズ(Julie Collins)農業相は記者会見で、H5N1は今後さらに広がり、多くの野生動物が被害を受ける可能性が高いとの見方を示した。現在までに国内では74件の野鳥感染が確認され、そのうち54件が南オーストラリア州に集中している。感染は西オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州にも広がっており、政府は渡り鳥を通じたさらなる感染拡大を警戒している。
オーストラリアでは6月に本土で初めてH5N1感染が確認され、7月には在来種の海鳥への感染も明らかになった。その後、ウイルスが野鳥の間で地域的に伝播していることが判明し、今回の大量死によって感染が新たな段階に入ったとの見方が強まっている。政府はドローン調査や野生動物の監視体制を強化し、感染状況の把握を急いでいる。
一方、3日時点で養鶏場での感染は確認されていない。中央政府は家禽産業への侵入を防ぐため、検査や移動制限など厳格なバイオセキュリティ対策を継続している。オーストラリアとニュージーランドはこれまでH5N1の侵入を防いできた数少ない地域だったが、今年に入り両国で相次いで感染が確認され、防疫体制は大きな転換点を迎えている。
H5N1は近年、世界各地で野鳥だけでなく、アシカやアザラシなどの哺乳類にも感染を広げている。世界では数億羽規模の鳥類が殺処分され、米国では乳牛への感染も報告されるなど、従来より幅広い動物種に影響が及んでいる。ヒトへの感染例は少なく、感染動物との濃厚接触が主な経路とされ、一般市民へのリスクは低いと評価されているものの、各国はウイルスの変異や感染拡大を継続的に監視している。
豪州政府は、野鳥の大量死は今後も各地で発生する可能性があるとして、死んだ鳥や衰弱した野鳥を発見しても直接触れず、当局へ通報するよう国民に呼びかけている。
野生動物の間で感染が定着すれば完全な封じ込めは難しく、生態系や家禽産業への影響が長期化する恐れもあることから、関係機関は監視と防疫を一層強化する方針だ。
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