◎大統領選は7月28日に予定されている。
ベネズエラ、マチャド元議員(ロイター通信)

ベネズエラ大統領選の候補者登録期限が3月25日に迫っている。

独裁者マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の最大のライバルであるマチャド(María Corina Machado)元議員が立候補できるかどうかは不透明な情勢だ。

大統領選は7月28日に予定されている。

マチャド氏は昨年10月、米政府が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。投票数は選管の予想を大きく上回り、200万人以上が投票した。

しかし、マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の出馬禁止令を科している。

マチャド氏はマドゥロ政権を支持する同盟国などから出馬を断念するよう圧力を受けている。

国際基準を満たした2015年の議会選は野党が勝利。しかし、それ以降の選挙はマドゥロ氏の支配下で行われることとなり、ほぼ全ての野党がボイコットを表明。結果、マドゥロ氏の独裁が確立された。

欧米諸国はマチャド氏を含む野党候補の出馬を認めるようマドゥロ政権に圧力をかけているが、実現するかどうかは不透明な情勢。公正な選挙が行われるという保証もない。

マドゥロ政権は1月、野党連合と交わした選挙協定を反故にした。

さらに高等裁判所はマドゥロ政権の出馬禁止令を支持。マチャド氏の出馬は難しくなった。

マドゥロ政権はそれ以来、米政府がマドゥロ氏の暗殺を企てていると主張。多くの政敵を逮捕し、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の職員に国外退去を命じた。

ベネズエラ経済はマドゥロ政権に対する米国の厳しい経済制裁で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

米政府はマドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、制裁を緩和。しかし、これを反故にするのであれば、制裁を復活させると警告している。

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