◎反抗的なマドゥロ氏の最大のライバルであるマチャド元議員が大統領選に立候補できるかどうかは不透明な情勢だ。
2024年3月16日/ベネズエラ、首都カラカス、支持者に手を振るマドゥロ大統領(AP通信)

ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が16日、政府与党の公認候補に指名された。

マドゥロ氏は首都カラカスの集会で演説。「私は国民のためにここにいる。私は国民のためにここにいる」と繰り返した。「私は大統領ではない。全国民が大統領なのだ!」

反抗的なマドゥロ氏の最大のライバルであるマチャド(María Corina Machado)元議員が大統領選に立候補できるかどうかは不透明な情勢だ。

マチャド氏は昨年10月、米政府が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。投票数は選管の予想を大きく上回り、200万人以上が投票した。

しかし、マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の出馬禁止令を科している。

マドゥロ氏は演説で、「私は全国民の圧倒的な支持を得ている」と主張した。政府与党によると、400万人以上の党員がマドゥロ氏の公認を支持したらしい。

マドゥロ氏はこう強調した。「私は国民のためにここにいる。私は国民のためにここにいる。候補者はマドゥロではない。国民だ!」

チャベス(Hugo Chávez)前大統領の後継者であるマドゥロ氏はその死後、2013年3月に就任した。7月の選挙で勝利すれば、2031年まで指揮を執ることができるだろう。

しかし、ベネズエラの経済はマドゥロ政権に対する米国の厳しい経済制裁で急降下。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

この経済危機により、数百人が国外に流出。その大半が米国を目指している。

バイデン政権は昨年、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、制裁を一部緩和した。

しかし、高等裁判所がマチャド氏の出馬禁止令を支持したため、バイデン政権は制裁を一部復活させた。

バイデン(Joe Biden)大統領は協定を無視して野党候補を弾圧するのであれば、制裁を復活させるだけでなく、新たな制裁も検討すると警告している。

大統領選は7月28日に予定されている。その候補者登録期限は3月25日だ。マチャド氏は立候補届を提出できずにいる。

マドゥロ政権は米政府がマドゥロ氏の暗殺を企てていると主張。多くの政敵を逮捕し、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の職員に国外退去を命じた。

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