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米国のブラジルギャング「テロ組織」指定、ブラジル金融業界への影響大

米政府によるテロ組織指定は単なる象徴的措置にとどまらない。
ブラジル、リオデジャネイロの機動隊(Getty Images)

米国がブラジルの2大犯罪組織を「外国テロ組織(FTO)」に指定したことで、ブラジル企業の事業コストや投資リスクが高まるとの懸念が広がっている。対象となったのは「PCC(首都第一コマンド)」と「CV(赤コマンド)」で、いずれも南米有数の麻薬密売ネットワークを持つ犯罪組織である。

両組織はもともと刑務所内で誕生したギャングだったが、その後勢力を拡大し、現在では南米全域の麻薬取引を支配するまでに成長した。近年は資金洗浄を通じて正規経済への浸透を進めており、燃料流通、不動産、金融など幅広い分野で影響力を持つとされる。ブラジル当局の捜査では、犯罪収益が複数の企業や金融サービスを経由して洗浄されていた実態も明らかになっている。

米政府によるテロ組織指定は単なる象徴的措置にとどまらない。米国の制裁制度の対象となることで、組織と直接または間接的に関係した企業や個人に対し、資産凍結や銀行取引の制限、刑事捜査などが及ぶ可能性がある。企業側は取引先や顧客に犯罪組織との関係がないかを従来以上に厳しく調査する必要があり、コンプライアンス費用の増加は避けられない見通しだ。

特に懸念されているのが金融業界である。専門家は規制体制が脆弱なフィンテック企業が大きな影響を受ける可能性を指摘する。一方で、大手銀行や上場企業などガバナンス体制が整った企業については、リスク管理能力が高いため影響は限定的との見方もある。

ブラジル政府は今回の措置に強く反発している。ルラ政権は国内犯罪組織を米国が一方的にテロ組織として扱うことは主権侵害につながりかねないと主張し、指定を受け入れていない。また、米国との捜査協力や情報共有に悪影響が及ぶ可能性も指摘されている。

さらに、ブラジル財務省は外国投資家がブラジル市場をより高リスクとみなすことで、投資資金の流入が鈍化する恐れがあると警告している。南米最大の経済大国であるブラジルにとって、犯罪対策を巡る米国との対立が金融市場や企業活動にどの程度影響を与えるかが今後の焦点となりそうだ。

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