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ハンガリー政府、フィリピンら3カ国の就労ビザ発給を停止

政府は今回の措置を外国人労働者の流入を管理するための第一段階と位置付けており、今後さらに移民・労働政策を厳格化する可能性がある。
2026年5月12日/ハンガリー、首都ブダペストの国会、演説するマジャル首相(ロイター通信)

ハンガリー政府は5日、フィリピン、ジョージア、アルメニアの3カ国国民に対する新規就労ビザ(査証)の発給を停止したと発表した。政府は今回の措置を外国人労働者の流入を管理するための第一段階と位置付けており、今後さらに移民・労働政策を厳格化する可能性がある。

今回の方針転換は4月の総選挙で長期政権を率いたオルバン(Viktor Orbán)前首相に代わり誕生した新政権の公約を反映したものだ。新政権を率いるマジャル(Péter Magyar)首相の与党・TISZA(尊敬と自由)は選挙期間中から、欧州連合(EU)域外からの労働者受け入れを制限し、国内労働市場を保護する方針を掲げていた。政府は外国人労働者の増加が賃金上昇を抑制し、自国民の雇用機会を圧迫しているとの認識を示している。

政府報道官によると、これまで企業はフィリピン、ジョージア、アルメニアから労働者を比較的簡易な手続きで受け入れることができたが、今回の措置により新規申請は認められなくなる。一方、すでにハンガリー国内で就労している外国人労働者については滞在許可や就労資格の更新申請が可能で、提出済みの申請も引き続き審査されるという。

ハンガリーは近年、自動車産業や電池製造産業を中心に海外企業の投資が拡大し、深刻な人手不足に直面してきた。そのため政府はこれまでアジアや旧ソ連圏諸国から労働者を受け入れてきた。統計上、外国人労働者は全労働力の約2%にとどまるものの、一部の製造業やサービス業では欠かせない存在となっている。企業によっては従業員の2割前後を外国人労働者が占めるケースもある。

こうした状況から経済界では懸念の声が広がっている。経済団体や人材派遣会社は外国人労働者の受け入れ停止が生産活動や投資計画に悪影響を及ぼす可能性があると警告している。特に製造業では国内だけで必要な人材を確保することが難しく、急激な規制強化は競争力低下につながりかねないとの指摘が出ている。

実際、ハンガリーでは高齢化の進行に伴い労働力不足が長期的な課題となっている。専門家は国内人材の活用だけでは需要を満たせない可能性が高く、外国人労働者の受け入れを全面的に制限する政策には慎重な検討が必要だと指摘する。

政府は今回の措置を長期的な労働移民制度改革の出発点と説明しているが、経済成長と雇用保護のバランスをどのように取るのかが今後の焦点となる。外国人労働者への依存を減らしつつ産業競争力を維持できるか、新政権の手腕が問われている。

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