SHARE:

ペルー大統領選決選投票、フジモリ氏がわずかにリード、異議申し立て票の審査進む

フジモリ氏の得票率は15日時点で50.051%、サンチェス氏は49.949%で、その差は約1万8300票となっている。
2026年3月31日/ペルー、首都リマのテレビ討論会会場、ケイコ・フジモリ氏(ロイター通信)

ペルーで6月7日に行われた大統領選決選投票は派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が左派のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏をわずかに上回る展開となっている。選挙管理当局による集計では、フジモリ氏の得票率は15日時点で50.051%、サンチェス氏は49.949%で、その差は約1万8300票となっている。依然として多数の異議申し立て票の審査が続いており、最終結果の確定にはなお時間を要する見通しである。

今回の大統領選は長年にわたり政治的不安定が続くペルーの今後を左右する重要な選挙として注目を集めてきた。フジモリ氏は故アルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の長女で、治安対策や市場重視の経済政策を掲げて支持を広げた。一方のサンチェス氏は地方や低所得層を中心に支持を集め、社会改革や所得格差是正を訴えている。両候補の支持基盤は大きく異なり、選挙結果は国論の分断を改めて浮き彫りにした。

選挙は開票当初から接戦となった。地方部の票が先行して集計された段階ではサンチェス氏がわずかにリードしていたが、その後、海外在住ペルー人の票が加わるにつれてフジモリ氏が追い上げ、逆転した。海外票は伝統的に保守派が強い傾向にあり、今回もその構図が結果に反映されたとみられている。

しかし、勝敗はまだ確定していない。約1600カ所の投票所に相当する40万余りが異議申し立ての対象となり、裁判所による審査が続いている。問題となっている票には集計表の記載ミスや立会人からの異議申し立てなどが含まれる。審査結果によっては得票差が変動する可能性があり、当選者の発表は7月中旬にずれ込む見込みである。

サンチェス陣営は一部投票所で不正や手続き上の問題があったと主張しているが、米州機構(OAS)や欧州連合(EU)の選挙監視団はこれまでのところ、大規模な不正を示す証拠は確認されていないとの見解を示している。両候補とも支持者に冷静な対応を呼びかけているものの、首都リマでは結果を巡る抗議デモの動きもみられ、政治的緊張が高まっている。

ペルーでは近年、大統領の罷免・辞任・逮捕が相次ぎ、過去10年で8人の大統領が誕生するなど、混乱が続いてきた。今回の選挙はそうした不安定な政治状況からの脱却が期待されていたが、歴史的な接戦によって新たな混乱を招く可能性も指摘されている。新大統領は7月28日に就任する予定だ。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします