◎ボルソナロ氏は不正行為を否定している。
ブラジル、首都ブラジリア、ボルソナロ前大統領(Eraldo Peres/AP通信)

ブラジルの警察当局は3日、コロナワクチンの接種記録を改ざんした疑いがあるとして、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の自宅を家宅捜索した。

当局によると、ボルソナロ氏は昨年末に米国に入国した際、偽造ワクチン接種記録を使用した可能性があるという。

警察はボルソナロ氏と妻の携帯電話を押収し、側近数人に任意同行を求めた。

ボルソナロ氏は不正行為を否定している。

ボルソナロ氏はコロナワクチンの接種に反対しており、その副作用に関する虚偽の情報をSNSなどで拡散していた。

ボルソナロ氏は接種記録には個人情報が含まれるとして公表を拒んできたが、現職のダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は開示を許可した。

それによると、ボルソナロ氏は在職中の2021年にワクチンを接種したとみられる。しかし、連邦警察はボルソナロ氏が記録を改ざんした疑いがあるとして、家宅捜索に踏み切った。

警察によると、ボルソナロ氏は保健省を通じてワクチンを接種したように見せかけ、米国への入国に必要な接種証明書を取得した可能性があるという。

ボルソナロ氏は家宅捜索後の記者会計で、「私は何も悪いことはしてない」と語った。

またボルソナロ氏は「コロナワクチンなど接種していない」と主張した。「私はそれを打っていないし、打つつもりもありません」

警察はボルソナロ氏が昨年11~12月の間にデータを改ざんしたとみている。

ボルソナロ氏は12月末、ダシルバ氏の大統領就任式を欠席するために米フロリダ州を訪れた。

米政府は当時大統領だったボルソナロ氏がどのようなビザで入国したのか、ボルソナロ氏のワクチン接種記録を確認したか否かについてはコメントしていない。

ボルソナロ氏は3月末に帰国し、2つの事件で警察に出頭・証言した。

1つは今年1月の連邦議会襲撃事件に関するもの。もう1つは2019年にサウジアラビア政府から受け取った数百万ドルの宝飾品を「ねこばば」しようとした疑惑である。

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