コロンビア大統領選決選投票、分断鮮明に、6月21日投開票
長年にわたり内戦や麻薬犯罪に苦しんできたコロンビアでは平和と安全、社会改革と経済成長をどう両立させるかが最大の政治課題となっている。
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南米コロンビアで6月21日に行われる大統領選決選投票を前に、カリブ海沿岸の2つの自治体が対照的な政治選択を示している。港湾都市バランキジャ近郊のトゥバラでは左派セペダ(Iván Cepeda)上院議員への支持が広がる一方、隣町のフアンデアコスタでは右派候補エスプリエジャ(Abelardo De La Espriella)氏が圧倒的な支持を集めており、コロンビア社会の深い分断を象徴する構図となっている。
両自治体はわずか数キロしか離れておらず、気候や文化、生活様式にも多くの共通点がある。しかし住民が抱える課題は大きく異なる。トゥバラでは比較的治安が安定し、住民の関心は教育や医療、年金制度など社会政策の充実に向けられている。セペダ氏は左派の現職ペトロ(Gustavo Petro)大統領の改革路線継続を訴えており、地域住民の間では福祉政策や貧困対策への期待が根強い。支持者たちは投票率向上が勝利の鍵を握るとして、戸別訪問や集会を通じて有権者への働きかけを強めている。
これに対し、フアンデアコスタでは近年、麻薬カルテルの活動拡大に伴い殺人を含む暴力事件が急増している。海岸線を利用した密輸ルートの活発化により治安悪化への不安が高まり、住民の最大の関心事は安全確保となった。こうした状況の中で支持を伸ばしているのが弁護士で実業家のエスプリエジャ氏である。同氏はカルテルや左翼ゲリラへの強硬な取り締まりを公約に掲げ、「法と秩序」の回復を前面に押し出している。5月の第1回投票では同自治体で55%の得票を獲得した。
今回の決選投票は単なる候補者選択を超えた国家の方向性を巡る選択と位置付けられている。セペダ氏は社会改革の継続や武装勢力との対話路線を主張する一方、エスプリエジャ氏は治安回復を最優先課題とし、武装勢力との和平交渉の打ち切りや軍事力強化を訴えている。両者の政策は経済運営やエネルギー政策においても大きく異なり、有権者は相反する将来像の間で選択を迫られている。
世論調査ではエスプリエジャ氏がリードしているものの、その差は決定的ではない。第1回投票ではエスプリエジャ氏が43.7%、セペダ氏が40.9%を獲得、左派陣営は決選投票での逆転を目指している。コロンビアでは4100万人以上が投票資格を持つが、第1回投票の投票者数は2400万人に満たなかった。
長年にわたり内戦や麻薬犯罪に苦しんできたコロンビアでは平和と安全、社会改革と経済成長をどう両立させるかが最大の政治課題となっている。隣り合うトゥバラとフアンデアコスタの対照的な選択は、国民が抱える期待と不安の違いを映し出しており、決選投票の行方は同国の将来を大きく左右することになりそうだ。
