ブラジル「違法金採掘」根絶難しく、数十億ドルが流出、環境破壊も深刻
グリーンピースが衛星画像や輸出データなどを分析した結果、2023~25年にかけてアマゾン各地で違法採掘が継続し、大量の金が国内外の市場に流れていたことが判明した。
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ブラジル政府が違法採掘の取り締まりを強化する中でも、アマゾン地域では依然として大規模な「違法金採掘」が続いていることが環境保護団体グリーンピースの最新調査で明らかになった。それによると、違法採掘業者は過去数年間で数十億ドル規模の金を採掘しており、森林破壊や先住民社会への被害が深刻化している。
グリーンピースが衛星画像や輸出データなどを分析した結果、2023~25年にかけてアマゾン各地で違法採掘が継続し、大量の金が国内外の市場に流れていたことが判明した。特に北部パラ州やロライマ州では違法採掘地の拡大が確認され、先住民保護区や環境保全区域にも侵入が続いているという。違法採掘で得られた金の一部は正規の流通経路に紛れ込み、海外へ輸出されているとみられている。
2023年に就任したルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は前政権下で拡大した森林破壊や違法採掘への対策を重要政策に掲げてきた。政府は軍や環境保全機関IBAMA(環境・再生可能天然資源院)を動員し、違法採掘拠点の閉鎖や重機の破壊、燃料供給網の遮断などを実施している。実際に森林破壊面積は減少傾向を示しているが、今回の調査は違法採掘ネットワークが依然として強固な収益構造を維持している実態を浮き彫りにした。
違法採掘は環境破壊だけでなく、地域社会にも深刻な影響を及ぼしている。採掘現場では金の分離作業に「水銀」が使用されることが多く、河川汚染や住民の健康被害が問題となっている。とりわけヤノマミ族など先住民コミュニティでは、水質悪化や感染症の拡大、食料不足などが報告されている。ルラ政権は先住民保護区への医療支援を強化しているが、違法採掘業者の流入は依然として続いている。
グリーンピースは違法採掘の背景には国際的な金需要の高まりがあると指摘する。金は投資資産や電子機器の原材料として需要が高く、価格上昇によって違法採掘の利益が拡大している。採掘業者は密輸組織や資金提供者と結び付きながら活動し、単なる環境犯罪ではなく組織犯罪の側面も強いとされる。調査では、違法採掘による金取引額が数十億ドル規模に達した可能性が示された。
専門家は、違法採掘対策には現場での取り締まりだけでなく、金の流通経路全体を監視する仕組みが必要だと指摘している。ブラジル政府も金取引の追跡制度強化や輸出管理の厳格化を進めているが、偽造書類や闇取引による抜け道を全て塞ぐことは難しいようだ。グリーンピースは輸入国や国際企業にも調達過程の透明化を求めている。
アマゾンは地球規模の気候安定化に重要な役割を果たす世界最大級の熱帯雨林で、その保全は国際社会共通の課題となっている。違法採掘による森林破壊と汚染が続けば、生態系だけでなく気候変動対策にも深刻な影響を与える可能性がある。ブラジル政府の取り締まり強化にもかかわらず、巨額の利益を生む違法採掘を根絶するにはなお多くの課題が残されている。
