◎国民は左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」による民間人誘拐に怒りを募らせている。
左翼ゲリラ民族解放軍(ELN)の戦闘員(Getty Images)

コロンビア最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」は26日、政府がELNに対する公約を守った場合のみ、身代金目的の誘拐をやめると主張した。

ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~5000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘、麻薬密売、誘拐などで利益を上げている。

ELNの最高司令官ガルシア(Antonio García)氏は声明で、「政府がELNに別の収入源を提供するプロジェクトに資金を提供するという公約を果たした場合のみ、身代金目的の誘拐から手を引く」と強調した。

またガルシア氏は、「国営メディアは12月17日までに停戦延長が決まれば、ELNは誘拐をやめることで合意したと報じたが、それは大きな間違いである」と述べた。

国民はELNによる民間人誘拐に怒りを募らせている。

ガルシア氏によると、中央政府とELNはメキシコシティで最近行われた和平交渉の中でこのような約束をし、政府はさらに「ELNの活動に必要な資金を調達する方法を見つけ、どのようなプロジェクトに公的資金を提供できるか決定する委員会を設置する」ことでも合意したという。

両者の協議は2022年11月に始まった。ELNは来年1月30日に期限を迎える6ヶ月間の停戦協定を結んだが、他の面ではほとんど進展がない。

政府は2016年のコロンビア革命軍(FARC)との和平合意で、議会の10議席と独自の政党を結成できる権利、そして指導者に恩赦を与えた。また政府は和平交渉の一環として、FARCが支配していた地域の権利を住民に与え、農村開発プロジェクトを行うことにも合意している。

コロンビア当局は10月末、ELNに身代金目的の誘拐をやめるよう圧力をかけた。これはELNの派閥のひとつが同国北部で英プレミアリーグ・リバプールのストライカー、ルイス・ディアス(Luis Fernando Díaz Marulanda)選手の両親を誘拐した事件に基づくものである。

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