◎一部の暴徒化したデモ隊は企業や小売店を破壊、略奪している。
2022年6月25日/エクアドル、首都キトの議会議事堂前(Dolores Ochoa/AP通信)

エクアドルラソ(Guillermo Lasso)大統領は25日、先住民族グループの抗議デモに合わせて6つの州に発令していた非常事態宣言を解除すると発表した。

地元メディアによると、宣言解除は政府高官と今回のデモを主催した同国最大の先住民族グループの会談後に発表されたという。

先住民族連合は政府に「ガソリン価格の引き下げ(1ガロン45セント下げ)」「農産物の価格統制(上限設定)」「教育予算の増額」を要求している。

一方、ラソ氏は24日に放送されたテレビ演説の中で、「連合のリーダーはクーデターを企てている」と非難していた。

25日の会談後、国民議会議長の報道官は、「スト終結に向けた対話を促進する委員会を設置する」と発表した。

また報道官は、「政府は基本的人権のひとつである抗議する権利を保証する」と約束した。

地元メディアによると、政府と先住民族連合の協議は首都キト中心部の教会で行われたという。連合は会長とその他の指導者、政府は外相らが出席した。

議長の報道官は「連合と委員会を発足させ、協議を継続することで合意した」と述べている。

一方、連合の会長であるイザ(Leonidas Iza)氏はAP通信のインタビューの中で、「要求が認められるまでストは終わらない」と語った。「最も重要なことは先住民族を含むエクアドル人の生活です。要求が認められるまでストとデモは終わりません...」

イザ氏は会談後の声明で、「ストは平日のみ行う」と発表し、首都キト郊外で立ち往生している貨物の輸送を再開するために、幹線道路を占拠したデモ隊に車両の通行を認めるよう要請した。

一方、コレア(Rafael Correa)元大統領率いる野党連合はラソ氏の不信任決議案を議会に要求した。コレア氏は「内乱に発展する恐れがある」という理由で発出された非常事態宣言を「政府の暴挙」と非難していた。

ラソ氏を解任するためには議員少なくとも92人の支持を得なければならないが、コレア氏の野党は47議席しか保持しておらず、不信任決議案が可決される可能性は低い。

先住民族連合は23日、キトの議会議事堂近くで抗議していた市民がペレット銃(空気銃)で撃たれ死亡し、少なくとも100人が負傷したと報告していた。警察はペレット銃を使ったと認めている。

デモ隊はキトの中心部につながる幹線道路を占拠しているが、地元メディアによると、封鎖は近いうちに解除される見通しだという。

一部の暴徒化したデモ隊は企業や小売店を破壊、略奪している。公共バスも破壊され、市内の公共交通機関はすべて停止した。

2022年6月25日/エクアドル、首都キト、燃料価格の高騰に抗議するデモ(Dolores Ochoa/AP通信)
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