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イラン、同盟組織にバブ・エル・マンデブ海峡閉鎖を指示=報道

バブ・エル・マンデブ海峡はスエズ運河とインド洋を結ぶ世界有数の海上交通路で、欧州とアジアを結ぶ物流や原油輸送の要衝である。
バブ・エル・マンデブ海峡の概観(ロイター通信)

イランが米国による電力インフラへの攻撃に備え、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対し、紅海とアデン湾を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡を封鎖する準備を進めるよう指示していたことが16日、明らかになった。実際にバブ・エル・マンデブ海峡が封鎖されれば、緊張が続く中東情勢は一段と悪化し、世界のエネルギー供給や海上物流に壊滅的な影響を及ぼす恐れがある。

ロイター通信によると、この構想はイラン指導部内で協議され、フーシ派側に伝達された。米国がイラン国内の発電施設や送電網など電力インフラを攻撃した場合、フーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖することを想定しているという。現時点で封鎖命令は発令されておらず、あくまで有事に備えた準備段階とされるが、イラン革命防衛隊(IRGC)の要員がイエメン国内で作戦の調整に当たる可能性がある。

バブ・エル・マンデブ海峡はスエズ運河とインド洋を結ぶ世界有数の海上交通路で、欧州とアジアを結ぶ物流や原油輸送の要衝である。海峡が封鎖されれば、多くのタンカーや貨物船がアフリカ南端の喜望峰を経由せざるを得なくなり、輸送日数や運賃の大幅な増加を招く。ロイターによると、6月には1日当たり約740万バレルの石油・石油製品がこの海域を通過した。封鎖は世界のエネルギー市場に大きな衝撃を与える可能性がある。

今回の動きは、イランがすでに世界有数のエネルギー輸送路であるホルムズ海峡で圧力を強めている中で浮上した。ホルムズ海峡の緊張に加え、バブ・エル・マンデブ海峡でも航行が妨げられれば、中東から欧州へ向かう主要な海上輸送ルートの双方が影響を受けることになる。市場では原油価格の上昇懸念が強まり、物流や保険コストの増加も避けられないとの見方が出ている。

フーシ派は近年、紅海やアデン湾で商船へのミサイル・無人機攻撃を繰り返してきた。同組織は2月末に米イラン戦争が始まって以来、海峡周辺にミサイルや無人機を配備し、有事に備えているという。今月にはサウジアラビアへのミサイル攻撃も実施し、約4年間維持してきた停戦状態が崩れた。イランはこうした地域の同盟勢力を活用することで、米国への圧力を強める狙いがあるとみられる。

一方、米国政府はこの報道について公式なコメントを控えている。中東情勢は米国とイランによる攻撃の応酬が続く中で緊迫の度合いを増しており、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡を巡る対立がさらに激化すれば、世界経済への影響は一層拡大する可能性がある。各国はエネルギー供給網の安定確保と事態の沈静化に向けた外交努力を迫られている。

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