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ブラジル政府、米国の25%追加関税を非難「正当性を欠く一方的な措置」

米通商代表部(USTR)はブラジルの貿易慣行が米企業に不利益を与えているとして、通商法301条に基づき追加関税を導入すると発表した。
ブラジルのルラ大統領(左)とトランプ米大統領(Getty Images/AFP通信)

ブラジル政府は16日、トランプ米政権がブラジルからの一部輸入品に25%の追加関税を課すと発表したことについて、「正当性を欠く一方的な措置」と強く反発し、対抗措置として報復関税を発動する方針を明らかにした。両国はこれまで交渉を続けてきたものの合意には至らず、今回の措置によって貿易摩擦は一段と深刻化する見通しとなった。

米通商代表部(USTR)はブラジルの貿易慣行が米企業に不利益を与えているとして、通商法301条に基づき追加関税を導入すると発表した。これは7月22日に発効する予定で、砂糖や機械類、鉄鋼製品など幅広い品目が対象となる。一方、米国内の供給への影響を考慮し、コーヒー、牛肉、オレンジ、オレンジジュース、航空機部品、一部エネルギー関連製品などは除外された。

これに対し、ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は声明で、米国の措置は「根拠がなく受け入れられない」と非難した。また2025年に米国からブラジルへの輸出品の約76%が無関税で輸入され、平均関税率も3.1%にとどまっていたと説明し、米側が主張する「不公正な貿易慣行」は事実に反すると強調した。さらに、ブラジルは米国に対して貿易黒字ではなく、2025年には米側が約420億ドルの貿易黒字を計上しているとして、今回の関税措置には経済合理性が乏しいと指摘した。

ブラジル政府は今後、2025年に成立した「通商互恵法(Reciprocity Law)」に基づき、米国製品への報復関税を課す準備を進めるとともに、世界貿易機関(WTO)への提訴も検討している。同法は外国政府による一方的な貿易制限措置に対し、ブラジル政府が対抗措置を講じることを可能にするもので、今回初めて本格的に適用される可能性がある。

ブラジル全国工業連盟(CNI)は16日、追加関税によって輸出や企業投資が落ち込み、両国企業の取引や雇用にも悪影響が及ぶとの懸念を表明した。特に製造業では、サプライチェーンの混乱やコスト上昇への警戒感が高まっている。一方、米国政府は関税の目的について「米国企業が公平な競争条件を確保するため」と説明し、ブラジル側との交渉が十分な成果を上げられなかったことを理由に挙げている。

今回の関税問題は、10月に予定されるブラジル大統領選挙にも影響を与え始めている。ルラ氏は関税措置の背景に政治的意図があると主張し、トランプ(Donald Trump)大統領と関係の深いボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の陣営を批判した。

一方、ボルソナロ氏の長男で大統領候補のフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員は、交渉をまとめられなかったルラ政権の責任を追及している。

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