◎エクアドルは世界有数のバナナ輸出国であり、2022年の売上高は約35億ドル。その約5分の1がロシア向けである。
2023年11月23日/エクアドル、首都キト、ノボア大統領(Carlos Noriega/AP通信)

南米エクアドルとロシアが対立を深めている。

ロシアは3日、エクアドル産バナナの輸入を禁じると発表。エクアドル政府を厳しく非難した。

エクアドルのノボア(Daniel Noboa)大統領は2億ドル相当の新しい軍事装備と引き換えに、古いボロボロのロシア製軍事装備品を米国に譲渡すると発表。ロシア外務省はこの決定に抗議し、「エクアドル政府はロシアの同意なしに第三国に装備を売却したり譲渡することはできない」と非難した。

ロシアの検疫当局は3日、エクアドルのバナナ会社5社を監視リストに追加。輸入を禁じると発表した。

エクアドルは世界有数のバナナ輸出国であり、2022年の売上高は約35億ドル。その約5分の1がロシア向けである。

ノボア氏は先月、ひどく劣化したロシア製軍事装備数トンを米国に譲渡すると発表。その引き換えに2億ドル相当の新しいピカピカの装備品を得るとしている。

ノボア氏は当時の声明でロシア産軍事装備品を「金属くず」と呼び、「エクアドルを恐怖に陥れている麻薬組織と戦うためには新しい装備が必要だ」と強調していた。

エクアドルの港湾都市グアヤキルでは先月初め、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄。ノボア氏は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。

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