ベネズエラ大地震、発生直後に指揮命令系統が混乱、被害拡大の要因に
被災直後の救助活動では一般市民が中心的な役割を担い、軍による本格的な支援は発生から数日後に本格化した。
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ベネズエラで6月24日に発生した大地震を巡り、軍上層部による出動命令の遅れや指揮系統の混乱、装備不足が初動対応を大幅に遅らせていたこと明らかになった。ロイター通信が18日に報じた。
被災直後の救助活動では一般市民が中心的な役割を担い、軍による本格的な支援は発生から数日後に本格化した。災害対応の不備に対する国民の不満は高まっており、長年にわたる経済危機で国家の危機管理能力が低下している実態が改めて浮き彫りとなった。
地震はマグニチュード7.2と7.5を記録し、首都カラカスとラグアイラ州を中心に甚大な被害をもたらした。同州にはベネズエラ最大の国際空港や港湾があり、高層住宅の倒壊が相次いだ。死者数は18日時点で5000人を超え、行方不明者の捜索が続いている。
ロイターは複数の現役・退役軍人の話しを引用し、「軍部隊は上層部から正式な命令が出るまで被災地に向かうことができず、出動準備を整えた後も長時間待機を余儀なくされた」と報じた。
ある現役将校は「上層部の命令がなければ部隊を動かすことはできない。災害を想定した行動計画そのものが存在しなかった」と証言した。地震発生翌日にようやく命令を受けた部隊もあり、救助活動の貴重な時間が失われたという。
現場では指揮命令系統も混乱した。暫定政権は国家警察の司令官を現場の統括責任者に任命する一方、内相にも特別権限を付与したため、軍と警察の指揮権限が重複し、どの組織が主導するのか判断できない状況が生じたとされる。この混乱は海外から到着した救助隊にも影響を及ぼし、担当区域の割り振りが遅れたことで救命活動が停滞したとの指摘もある。
さらに、軍は車両やヘリコプターだけでなく、ハンマーやつるはしなど基本的な救助資機材も不足していた。地震発生日が陸軍記念日の祝日だったため、多くの兵士が部隊を離れていたため、招集に時間がかかったという。関係者は「経済危機によって維持整備費が削減され、軍の即応能力は著しく低下している」と指摘し、災害対応能力そのものが弱体化しているとの見方を示した。
一方、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は政府の対応を擁護し、「4000人規模の要員を直ちに投入した」と説明している。しかし、住民や救助関係者は、被災直後に軍や警察の姿はほとんど見られず、住民が素手や簡易な工具で生存者の救出や遺体の収容を続けていたと証言している。今回の災害対応はベネズエラ政府の危機管理体制や軍の運用能力に深刻な課題が残されていることを内外に示す結果となった。
