コロンビア大統領、エクアドル製品に対する100%関税撤回
対抗措置として発表していた強硬策を事実上撤回し、より柔軟な対応へと転換する姿勢を示した形だ。
とコロンビアのペトロ大統領(Getty-Images).jpg)
南米コロンビアとエクアドルの間で激化していた貿易摩擦をめぐり、コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は14日、エクアドル製品に対する一律100%の関税措置を見送る方針を明らかにした。対抗措置として発表していた強硬策を事実上撤回し、より柔軟な対応へと転換する姿勢を示した形だ。
ペトロ氏は閣議の中で、全面的な高関税の導入を否定し、「必要な物資には関税を課さない」と述べたうえで、代わりに補助金や選択的な「スマート関税」を導入する考えを示した。ただし、その具体的な内容や対象については明らかにしていない。
今回の方針転換の背景には、両国間で続く報復的な関税引き上げの応酬がある。エクアドルは5月からコロンビア製品に最大100%の関税を課すと発表し、これに対抗してコロンビア政府も同水準への引き上げを表明していた。こうした措置は貿易のみならず外交関係にも深刻な影響を及ぼしている。
対立の発端は2026年初頭にさかのぼる。エクアドル政府は国境地帯における麻薬取引や治安対策をめぐり、コロンビアの対応が不十分であると批判し、関税を段階的に引き上げてきた。これに対しコロンビア側は麻薬押収などの実績を挙げて反論し、非難を退けている。
また、エクアドルは自国の対コロンビア貿易赤字の是正も関税引き上げの理由として掲げている。統計によると、2025年の両国間貿易では、コロンビアが約10億ドルの黒字を計上し、不均衡が存在している。
ペトロ氏は国内産業の保護と競争力強化を図るため、農業分野などに補助金を投入し、輸入依存の低減を目指す方針も示した。また、エクアドル向け輸出が制限される場合には、代替市場としてベネズエラへの輸出拡大を検討する考えも明らかにしている。
今回の決定は全面的な報復関税による経済的打撃を回避しつつ、国内経済への影響を最小限に抑える狙いがあるとみられる。ただし、エクアドル側の強硬姿勢は変わっておらず、両国関係の緊張が直ちに緩和される見通しは立っていない。
関税の応酬は企業活動や国境地域の経済にも影響を及ぼしており、今後の協議の行方が注目される。両国が対話を通じて摩擦を解消できるかが、地域経済の安定にとって重要な鍵となる。
