◎政府は8月31日、ディーゼル燃料の価格を50セント値上げし、1ガロン(3.8リットル)あたり約2.90ドルにした。
2024年9月3日/コロンビア、首都ボゴタ近郊、燃料補助金の廃止に抗議するデモ(AP通信)

南米コロンビアの複数の都市で3日、ディーゼル燃料の補助金廃止計画に抗議するデモが行われ、数百台のトラックが幹線道路を封鎖した。

トラック運転手の労働組合は補助金廃止を「死刑宣告」と呼び、多くの中小運送会社が倒産すると警告している。

一方、左派のペトロ(Gustavo Petro)大統領は増大する財政赤字を削減し、より多くの予算を教育や医療に振り向けるために、補助金を段階的に廃止する必要があると主張している。

政府は8月31日、ディーゼル燃料の価格を50セント値上げし、1ガロン(3.8リットル)あたり約2.90ドルにした。

全国の労組はこれに反発し、各地で抗議デモを展開。3日には首都ボゴタやメデジンなどの主要都市で道路封鎖が行われ、卸売市場に到着する食料の量が減少した。

ボゴタの封鎖に参加したトラック運転手はAP通信の取材に対し、「新しいディーゼル価格では建設資材を運ぶたびに赤字になる」と嘆いた。

元左翼ゲリラのペトロ氏は道路封鎖を受け、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「トラック労組に国を封鎖させない」と書き込んだ。

ペトロ氏はそのキャリアを通じて数々の抗議デモを主導してきたが、「公的債務を削減し、国民の健康と教育に予算を割り振るためには、燃料補助金を廃止しなければならない!」と投稿した。

ディーゼル燃料への補助金は数十年にわたって実施されてきた。歴代政府はその廃止が大規模な抗議や食料価格の上昇につながることを恐れ、これを維持してきた。

財務省によると、毎月約2億4000万ドル(約350億円)もの予算がディーゼル燃料補助金に計上されているという。年間の支出額は30億ドル近くにおよぶ。

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