◎ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。
コロンビアの左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」の戦闘員(Getty Images)

コロンビア政府と同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が停戦期間を6カ月間延長することで合意した。現地メディアが6日に報じた。

それによると、ELNはこの期間中、身代金目的の誘拐をやめることも約束したという。

停戦協定は7日に失効する予定だったが、土壇場で延長が決まった。

双方は声明で、「交渉の結果、期間を180日間延長することで合意した」と述べている。

それによると、ELNは停戦をより有意義なものにするため、この期間中、民間人などを対象とする誘拐を一時的にやめることも約束したという。

AP通信は政府関係者の話しとして、「停戦の新しい条件に満足している」と報じた。

ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~5000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘、麻薬密売、誘拐などで利益を上げている。

ELNの最高司令官ガルシア(Antonio García)氏は停戦協定が結ばれているにもかかわらず、陸軍がその支配地域で取り締まりを開始、強化したことに不満を表明していた。

元左翼ゲリラのペトロ(Gustavo Petro)大統領は政府とコロンビア革命軍(FARC)が2016年に結んだ和平協定に参加していないゲリラや過激派との交渉を進めている。

政府とELNの停戦は昨年8月に始まり、戦闘は減少した。しかし、ELNは停戦中も10代の若者を勧誘し、恐喝や誘拐によって活動資金を調達していた。

ELNの支配下にあるベネズエラ国境付近の町や集落などでは治安が改善されていないという不満の声が上がっている。

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