◎デモ参加者の大半が学生で、催涙ガスから身を守るためにゴーグルとマスクを着用していた。
2022年10月18日/チリ、首都サンティアゴ中心部、平等と社会的保護を求めるデモ(Martin Bernetti/AFP通信/Getty Images)

チリの首都サンティアゴで18日、2019年に勃発した暴動を記念する抗議デモが開かれ、血気盛んな若者数百人が中心部の道路でタイヤや木材を燃やした。

報道によると、デモ参加者の大半が学生で、催涙ガスから身を守るためにゴーグルとマスクを着用していたという。

若者たちは中心部の幹線道路を占領し、炎のバリケードを設置し、地下鉄の運行を妨害した。

政府は警察官約2万5000人を配備し、デモに備えた。報道によると、警察は放水砲と催涙ガスでデモ隊を圧倒したという。

小売店は営業を取りやめ、市内の学校は生徒を午前中で帰宅させた。

デモに参加した男性はAFP通信の取材に対し、「私たちはまだ何も得ていない」と語った。「3年前、私たちは平等と社会的保護を求め、立ち上がったのです!」

3年前のデモは公共交通機関の料金値上げに端を発したものだったが、平等と社会的保護を求める暴動に発展し、20~30人が死亡、数百人が負傷し、3000件を超える人権侵害の苦情が寄せられた。

急進左派のボリッチ(Gabriel Boric)大統領は今年、1973年から1990年まで政権を握った故ピノチェト(Augusto Pinochet)元大統領時代に起草された憲法の改正を目指し、国民投票を行った。

ボリッチ氏は2019年の抗議デモを支持する元学生指導者である。

有権者の大半は独裁者が起草した憲法の改正に賛成していた。しかし、急進左派政党が数カ月で起草した新憲法は有権者の支持を得られず、62%が反対に投票した。

憲法改正の是非を問う国民投票は2020年にも行われている。

ボリッチ氏は18日、新憲法について協議する「社会対話」を行うと発表。政府、野党、市民、先住民族、社会グループなどの代表が参加すると明らかにした。

ボリッチ氏は声明の中で、「2019年の抗議はチリの痛みと亀裂を表現する試みのひとつだった」と語った。

ボリッチ氏は不平等を改善し、チリをより緑豊かで平等主義的な福祉国家にすると公約に掲げて今年3月に就任したが、最新の世論調査によると、支持率は30%を下回る勢いだという。

ボリッチ氏は9月4日の国民投票で憲法草案が反対されたことを受け、内閣を改造し、「今後の道筋を決める会議を開く」と約束していた。

ボリッチ氏は18日の抗議デモに不満を表明し、「同じ過ちを繰り返すべきではない」と国民に呼びかけた。「社会不安は多くの痛みをもたらしました。私たちは新たな憲法を準備しています。2019年を忘れないでください」

2022年10月18日/チリ、首都サンティアゴ中心部、平等と社会的保護を求めるデモ(Martin Bernetti/AFP通信/Getty Images)
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