◎各紙の世論調査の平均値は「ダシルバ氏45%、ボルソナロ氏32%」となっている。
2022年9月7日/ブラジル、首都ブラジリア、ボルソナロ大統領(Eraldo Peres/AP通信)

ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は7日、独立200周年式典を利用して有権者に支持を呼びかけた。

ボルソナロ氏は10月の大統領選で再選を目指しているが、最新の世論調査によると、ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領に大きく水をあけられ、厳しい戦いを強いられている。

第1回投票は10月2日に行われる予定。有効票の過半数を獲得する候補がいなかった場合は、10月末の決選投票で勝者を決める。

ボルソナロ氏は首都ブラジリアの祝賀行事と軍事パレードを主催し、有権者に支持を呼びかけた。

その後、リオデジャネイロで数万人を前に演説し、最大都市サンパウロの有権者にもSNSで支持を訴えた。

ボルソナロ氏はブラジリアの演説で、「世論調査は操作されている」と主張した。「今日は私のために集まってくれてありがとう!」

各紙の世論調査の平均値は「ダシルバ氏45%、ボルソナロ氏32%」となっている。

ボルソナロ氏は「ブラジルは今、善と悪の戦いに直面している:と述べ、ダシルバ氏を悪者扱いした。「左翼ゲリラの攻勢を許してはなりません。悪に立ち向かいましょう!」

ポルトガルからの独立を記念する式典はボルソナロ氏の応援集会に様変わりした。

リオデジャネイロの応援団は「俺たちのボルソナロ」「左翼テロリストを倒せ」などと大騒ぎした。

サンパウロではボルソナロ支持者とダシルバ支持者の乱闘が報告されたものの、負傷者はでなかったとみられる。

ボルソナロ氏はSNSに、「私のために数百万人が街頭に押し寄せた」と投稿したが、ダシルバ支持者はこの主張を一蹴し、「神聖な200周年式典を政治利用するな」と反撃した。

しかし、ボルソナロ氏は全国のSNSサポーターに、「出遅れた人は、今すぐ街頭で私の応援集会を行おう」と呼びかけた。

報道によると、地方都市でも数千人規模の独立記念式典が開かれたという。

リオデジャネイロのコパカバーナビーチには朝早くからボルソナロサポーターが大挙して押し寄せた。ビーチでは航空ショーも開催され、ボルソナロ氏は「応援ありがとう」と空軍に謝意を示した。

ボルソナロ氏はリオの演説で、「私たちは無気力、嘘、きれいごと、国民をだますメディア、そして国民をだます悪党の主張から目を覚ます必要がある」と語った。

またボルソナロ氏はダシルバ氏と労働者党(PT)に言及し、「泥棒にだまされるな」と吠えた。「私には教養がない。しかし、私は泥棒ではない!」

ブラジルカラー(緑・黄・青)に染まった数万人の支持者は大歓声を上げ、「GO!ボルソナロ」「再選確定」などと叫んだ。

サンパウロの集会に参加した男性は、「俺たちのボルソナロ大統領はブラジルを民主国家に変えた」と語った。「共産主義者のダシルバが大統領になれば、ブラジルは再び破滅の道を突き進むことになるでしょう」

コパカバーナビーチでボルソナロ氏の演説を聞いた女性はAP通信の取材に対し、「私たちはボルソナロ大統領とブラジルの民主主義を祝うために集まりました」と語った。「左翼ゲリラメディアは信用できません。彼らはブラジルの分断を狙う分離独立勢力の手下に他なりません」

ダシルバ氏は7日、独立記念日を祝い、ボルソナロ氏を批判した。「私はブラジル国民にとって最も神聖な日である独立記念日を選挙運動に利用したことは一度もありません」

チームボルソナロが主要都市で大騒ぎする一方、一部のデモ隊はボルソナロ氏の弾劾と汚職調査を追及するよう訴えた。

ダシルバ氏のTシャツを着た女性はAPに、「民主主義を取り戻せるか否かは選挙にかかっている」と訴えた。「ボルソナロは大切な独立記念日を応援集会に利用しました」

2003年~2010年まで大統領を務めたダシルバ氏は汚職とマネーロンダリングで有罪判決を受け収監。2018年の大統領選への出馬を禁じられたが、最高裁はその後、事件を担当した判事が偏見を持っていたとして判決を無効とし、出馬の道を開いた。

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