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ブラジル右派大統領候補、トランプ氏との会談模索、スキャンダルで窮地に

フラビオ氏は服役中のボルソナロ前大統領の長男、右派勢力の有力な大統領候補である。
ブラジルのフラビオ・ボルソナロ上院議員(ロイター通信)

ブラジルの右派政治家フラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員が米ホワイトハウスでトランプ(Donald Trump)大統領との会談実現を模索していることが分かった。ロイター通信によると、訪米は早ければ来週にも行われる可能性があり、大統領選を前に苦境に立たされる同氏の政治的立て直しが狙いとみられている。

フラビオ氏は服役中のボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男、右派勢力の有力な大統領候補である。しかし最近、金融不正事件で逮捕された銀行家ダニエル・ボルカロ(Daniel Vorcaro)氏との関係が明らかとなり、支持率に影響が出ている。ロイターによると、フラビオ氏は当初、ボルカロ氏との接触を否定していたが、その後、父親を題材にした映画制作資金を確保するために接触していたことを認めた。

問題となっているボルカロ氏は、経営していた「バンコ・マスター」を巡る大規模詐欺事件の中心人物とされている。同銀行は不正融資問題で経営破綻し、検察は数十億ドル規模の不正資金操作が行われていた可能性を調査している。流出した音声メッセージでは、フラビオ氏が映画への追加出資再開を求める発言をしていたと報じられ、保守派内部でも批判が広がった。

このスキャンダルの影響は世論調査にも表れている。最新の調査では、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が決選投票想定で48.9%の支持を獲得し、フラビオ氏の41.8%を大きく上回った。4月時点では両者はほぼ互角だったが、不祥事報道後に支持率差が拡大した。市場関係者の間でも、右派陣営の求心力低下への懸念が広がっている。

こうした状況の中で浮上したのが、トランプ氏との会談計画である。ボルソナロ一家は以前からトランプ氏との関係を強調してきた。ボルソナロ前大統領は「ブラジルのトランプ」とも呼ばれ、保守・宗教右派層を基盤とする政治手法でも共通点が多い。フラビオ氏としては、ホワイトハウス訪問を通じて国際的な支持を演出し、国内保守層の結束回復につなげたい思惑があるとみられる。

一方、ルラ氏は今月、ワシントンDCで首脳会談を行い、関税問題や安全保障協力について協議したばかりである。トランプ政権は公式にはブラジル内政への介入を避ける姿勢を示しているが、フラビオ氏との接触が実現すれば、ブラジル政界に大きな政治的波紋を広げる可能性がある。

10月の大統領選まで残された時間は少ない。スキャンダルによる失速を挽回できるかどうか、フラビオ氏にとって今回の訪米構想は極めて重要な政治的賭けとなっている。

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