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ブラジル2026年5月経常収支、29億ドルの赤字、市場予想下回る

市場予想の38億ドルの赤字を下回り、前年同月の約39億ドルの赤字からも改善した。
ブラジル、サンパウロ市(Getty Images)

ブラジル中央銀行は26日、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支について、先月の赤字額が29億ドルに縮小したと発表した。市場予想の38億ドルの赤字を下回り、前年同月の約39億ドルの赤字からも改善した。輸出の堅調な推移や海外からの直接投資の増加が経常収支を支えた一方、サービス収支や第1次所得収支の赤字は依然として続いており、ブラジル経済は外需の底堅さと構造的な課題が併存する状況となっている。今回の結果は、市場が予想していた以上に対外収支が改善していることを示す内容となった。

中銀によると、改善の主な要因は貿易黒字の拡大である。大豆やトウモロコシ、食肉、鉄鉱石など主要品目の輸出が堅調だったほか、国際商品価格が比較的高い水準を維持したことも輸出額を押し上げた。一方で輸入は国内需要の伸びが緩やかだったことから増加幅が狭まり、貿易収支全体の改善につながった。こうした輸出主導の動きが、サービス収支などの赤字を一定程度相殺する結果となった。

一方、外国企業によるブラジルへの直接投資(FDI)は5月に59億ドルとなり、市場予想の55億ドルを上回った。製造業やエネルギー、インフラ分野への投資が堅調で、経常赤字を十分に賄える規模を維持している。ブラジルは豊富な天然資源に加え、中南米最大の消費市場を抱えることから、海外企業の投資先として一定の魅力を保っている。政府もインフラ整備や再生可能エネルギー分野への投資促進策を進めており、中長期的な資本流入の維持を目指している。

もっとも、経常収支にはなお課題も残る。海外旅行や輸送、デジタルサービスなどに伴うサービス収支は赤字が続き、外国企業への配当や利払いなどを含む第1次所得収支も対外赤字の要因となっている。ブラジル経済は輸出競争力の高い一次産品に支えられる一方、高付加価値サービスや工業製品では海外への依存度が依然として高く、経常収支が商品市況の変動を受けやすい構造となっている。専門家は国際的な資源価格が下落した場合には経常収支が再び悪化する可能性もあると指摘している。

市場では、今回の経常収支と直接投資の結果を受け、ブラジルの対外資金繰りに対する懸念は当面後退したとの見方が広がっている。ただし、世界経済の減速や米国の金融政策、国際商品価格の変動など外部環境の影響は依然として大きい。ルラ政権と中銀はインフレ抑制と景気回復の両立を図りながら、財政健全化や産業競争力の強化を進める必要がある。対外収支の改善を一時的なものに終わらせず、持続的な経済成長につなげられるかが今後の課題となる。

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