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ヒズボラ、イスラエル・レバノン間の安全保障協定を拒否

指導者カセム(Naim Qassem)師はテレビ演説で、この協定は「降伏に等しい」と批判、イスラエルの要求を受け入れる内容であり、レバノンの主権を侵害するものだと主張した。
2025年11月28日/レバノン南部のイスラエル国境近く、イスラエル軍の戦車部隊(ロイター通信)

レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは27日、米国の仲介で前日にイスラエルとレバノン政府が締結した安全保障協定を全面的に拒否する姿勢を示した。指導者カセム(Naim Qassem)師はテレビ演説で、この協定は「降伏に等しい」と批判、イスラエルの要求を受け入れる内容であり、レバノンの主権を侵害するものだと主張した。協定をめぐっては国内でも賛否が分かれており、停戦と和平への期待が高まる一方で、ヒズボラの反発が今後の履行に大きな影響を及ぼす可能性がある。

米国の仲介で26日に発表された協定では、イスラエル軍が南レバノンから段階的に撤退する一方、国境地帯の安全が確保されるまで一部地域への駐留を継続することが盛り込まれた。また、レバノン政府がヒズボラの武装解除を進め、国軍が南部地域の治安維持を担うことや、米国主導の三者軍事調整機構を設置して履行状況を監視することも柱となっている。イスラエルは自国への脅威が解消されれば完全撤退を進めるとし、レバノン政府も国家による武力の一元管理を目指す姿勢を示している。

これに対し、カセム師はヒズボラの武装解除を受け入れる考えはないと明言。イスラエル軍がレバノン領内に駐留を続ける限り抵抗を継続すると述べ、協定はイスラエルの占領を正当化するものだと非難した。また、問題解決の前提はイスラエル軍の全面撤退であり、その後にレバノン国内の安全保障について議論すべきだとの立場を強調した。ヒズボラは今回の交渉に参加しておらず、自らを拘束する合意ではないとの認識を示している。

協定発表の翌日には、イスラエル軍の無人機が南部ナバティエ近郊を攻撃した。イスラエル軍は安全保障上の脅威となる対象を攻撃したと説明したが、ヒズボラは協定発効直後にもかかわらず攻撃が続いているとして反発を強めた。

レバノンでは今年に入り、ヒズボラとイスラエル軍の戦闘によって4000人を超える死者が発生し、100万人を超える住民が避難を余儀なくされた。国内ではヒズボラがイスラエルとの戦闘にレバノンを巻き込んだとして批判する声も広がる一方、支持基盤であるシーア派住民の間では武装抵抗を維持すべきとの意見も根強い。今回の安全保障協定は長期的な和平への第一歩として期待されるものの、国内最大の武装組織であるヒズボラが受け入れを拒否したことで、停戦の定着や武装解除の実現にはなお多くの障害が残されている。

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