ブラジル警察、ルラ大統領の側近を家宅捜索、与野党幹部が捜査対象に
ワグナー氏は与党・労働者党(PT)の上院院内総務を務め、ルラ氏とは長年の盟友関係にある。
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ブラジル連邦警察は18日、巨額の金融不正疑惑に関連して、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の盟友として知られるワグナー(Jaques Wagner)上院議員を対象とする家宅捜索を実施した。捜査は経営破綻した金融機関「バンコ・マスター」を巡る汚職・資金洗浄疑惑の一環であり、10月の大統領選挙を前に政界全体を揺るがす事態となっている。
ワグナー氏は与党・労働者党(PT)の上院院内総務を務め、ルラ氏とは長年の盟友関係にある。警察は同氏がバンコ・マスターの元経営陣から不適切な利益供与を受けた疑いがあるとして捜査を進めてきた。最高裁判所の令状に基づき、首都ブラジリアやバイーア州などで計18件の捜索が行われた。
警察によると、ワグナー氏やその家族は高級マンションの購入支援や現金提供などの便宜を受けた疑いが持たれている。捜索先からは多額の現金も見つかったと報じられている。一方、ワグナー氏はすべての疑惑を否定し、押収された現金については上院議員としての公務関連経費であり、不正な資金ではないと主張している。
事件の中心となっているバンコ・マスターは、かつて160億ドル以上の資産を保有していた中堅銀行だったが、資金繰り悪化や不正会計の疑惑が浮上し、2025年末に経営破綻した。創業者で元最高経営責任者(CEO)のダニエル・ボルカロ(Daniel Vorcaro)被告は今年逮捕され、捜査当局は同行を舞台とした不正の総額が最大120億レアルに達する可能性があるとみている。ブラジル史上最大級の銀行不正事件との指摘もある。
この事件では与党だけでなく野党勢力にも捜査の手が及んでいる。右派の有力政治家で大統領候補の1人であるフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員などが捜査対象となっており、与野党両陣営を巻き込む政治スキャンダルへと発展している。
ルラ政権は捜査への介入を否定し、司法機関と警察の独立性を尊重する姿勢を示している。与党関係者はワグナー氏への信頼を表明しているが、ルラ氏の最側近が捜査対象となったことで政権への打撃は避けられないとの見方が広がっている。
ブラジルでは過去に政財界を揺るがしたペトロブラス汚職事件が政界再編の契機となった経緯がある。今回のバンコ・マスター事件も同様に、2026年大統領選の争点として大きな影響を与える可能性が高い。捜査の進展次第では、与野党双方の有力政治家を巻き込んださらなる波紋が広がることも予想されている。
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