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ブラジル・ルラ氏、トランプ氏に大統領選への干渉控えるよう警告

発端となったのは、トランプ氏がブラジルの政治情勢について「危険な状態にある」と批判し、保守派のボルソナロ一家に同情的な発言を行ったことだった。
2026年6月17日/フランス、東部エレバン、メルツ独首相とIMF総裁と話すブラジルのルラ大統領(AP通信)

ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は17日、トランプ(Donald Trump)米大統領に対し、今年10月に予定されているブラジル大統領選挙に介入しないよう強く求めた。両首脳の応酬は、司法問題や通商政策をめぐって悪化している両国関係を改めて浮き彫りにした。

発端となったのは、トランプ氏がブラジルの政治情勢について「危険な状態にある」と批判し、保守派のボルソナロ一家に同情的な発言を行ったことだった。これに対し、フランスのG7サミット会場で記者団の質問を受けたルラ氏は、「ブラジルの選挙はブラジル国民の問題であり、外国が干渉すべきではない」と反論した。また、トランプ氏がボルソナロ家との関係を通じてしかブラジルを理解していないと批判し、自国の主権を尊重するよう求めた。

今回の対立の背景には、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領をめぐる司法手続きがある。ボルソナロ氏は2022大統領選で敗北後、政権維持を図ったとしてクーデター未遂罪で実刑判決を受けている。さらにその息子であるエドゥアルド・ボルソナロ(Eduardo Bolsonaro)元下院議員も今週、父親の裁判に介入する目的で米政府に働き掛けたとして有罪判決を受けた。ブラジル最高裁はこうした行為が司法手続きへの不当な圧力に当たると判断した。

一方、トランプ政権はボルソナロ氏への捜査や裁判を「政治的迫害」と位置付けてきた。ブラジル最高裁判事への制裁(解除済み)を実施したほか、ブラジル製品に対する追加関税の導入も進めている。さらに、ブラジル国内の主要麻薬組織を外国テロ組織に指定したことに対し、ルラ政権は「犯罪組織ではあるが政治的目的を持つテロ組織ではない」と反発している。

ルラ氏は再選を目指しており、有力対抗馬としてボルソナロ氏の長男であるフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員の出馬が取り沙汰されている。選挙戦が本格化する中、米国との外交摩擦が国内政治にどのような影響を与えるか注目される。今回の発言は単なる外交上の応酬にとどまらず、ブラジルの民主主義と国家主権をめぐる議論としても大きな意味を持つものとなっている。

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