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ブラジル2026年第1四半期GDP成長率+1.1%、持ち直しの兆し

統計機関IBGEが29日に公表した2026年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)は前期比1.1%増となり、市場予想をわずかに上回った。
ブラジル、リオデジャネイロ州(Getty Images)

ブラジル経済が持ち直しの兆しを見せている。統計機関IBGEが29日に公表した2026年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)は前期比1.1%増となり、市場予想をわずかに上回った。2025年後半に減速感が強まっていた同国経済だが、個人消費と設備投資の回復が成長を支える形となった。ただ、景気回復が鮮明になったことで、中央銀行による追加利下げ観測は後退している。

成長を牽引したのは内需だ。家計消費は前期比1.0%増となり、最低賃金引き上げや所得税減税など、ルラ政権による景気刺激策が追い風となった。さらに、固定資産投資も3.5%増加し、企業の設備投資意欲にも改善がみられた。農業部門では大豆の豊作が寄与し、2.0%成長を記録したほか、工業部門も自動車生産の拡大などを背景に回復基調を示した。

一方で、こうした回復が持続的なものかどうかには疑問も残る。中銀はインフレ抑制を優先し、政策金利を14.50%という高水準に据えている。今年に入り2回の利下げを実施したものの、インフレ率は4.64%と目標の3%を上回っており、追加緩和には慎重姿勢を崩していない。市場では今回のGDP統計によって年内の利下げペースが鈍化するとの見方が広がっている。

専門家からも警戒感が出ている。エコノミストたちは「現在の成長は財政刺激に依存しており、自律的な景気回復とは言い難い」と指摘する。政府による減税や融資支援が需要を押し上げている一方、財政赤字拡大への懸念も強まっている。ルラ政権は今月、追加歳出の凍結を発表し、2026年の財政赤字見通しを拡大修正した。社会保障費や公務員給与の増加が財政を圧迫しているためだ。

また、労働市場にも減速の兆しがみえる。4月の新規正規雇用者数は約8万6000人にとどまり、市場予想を大幅に下回った。高金利環境が企業活動を抑制し始めているとの分析もある。加えて、10月に予定される大統領選挙を前に、政治的不透明感が投資判断を慎重にさせているとの指摘も出ている。

それでもルラ政権は2026年通年の成長率見通しを2.3%とし、前年並みの成長を維持できるとの立場を崩していない。世界的な資源需要や農産物輸出の強さも追い風となる見込みだ。しかし、景気刺激策と高金利政策が併存する現在の状況は矛盾も抱えており、今後はインフレ抑制と成長維持をどう両立させるかが、ルラ政権と中銀双方にとって大きな課題となりそうだ。

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