◎ジャイール・ボルソナロ大統領は1996年に採用された電子投票システムにしつこく疑問を投げかけている。
2021年6月29日/ブラジル、首都ブラジリアのプラナルト大統領宮殿、ジャイール・ボルソナロ大統領(Eraldo Peres/AP通信)

ブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領は8日、来年予定されている大統領選挙は不正と詐欺に支配される可能性があると指摘し、「投票システムが改革されなければ中止になる可能性がある」と示唆した。

極右のボルソナロ大統領は首都ブラジリアの支持者に対し、「きれいな選挙を行わなければならない」と主張した。「民主国家はきれいな選挙を保証しなければなりません。選択肢は2つです。きれいな選挙を行うか、何も行わないか...」

ボルソナロ大統領は1996年に採用された電子投票システムにしつこく疑問を投げかけており、「それを実施すれば選挙はひどく傷つけられ、有権者は歴史的な詐欺と不正にまみれた選挙を目撃することになるだろう」と繰り返し主張してきた。

選挙裁判所は先月、ボルソナロ大統領に詐欺の証拠を提示するよう命じた。

ボルソナロ大統領は今週開催されたソーシャルメディア生放送ライブの中で、「投票改革なしの不正大統領選に負けた場合は、選挙結果を拒否する」と述べ、「憲法を改正し、有権者の電子投票結果をプリントアウトし集計しなければならない」と主張した。

改革に賛成するボルソナロ大統領と一部の議員たちは、投票結果に不規則性が見られた場合、票をプリントアウトしておけば再集計できると主張している。

一方、最高裁判所の判事3人と野党議員を含む反対派は、「現在の電子投票システムは優れた監査を可能にしており、改正の議論は根拠のない詐欺の主張を生み出すだけだ」と憲法改正に反対している。

地元メディアが行った初期の世論調査によると、ボルソナロ大統領の支持率はライバルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ前大統領を下回っているという。

一部の専門家はボルソナロ大統領の主張に懸念を表明しており、事前に何かしらの手を打たなければ昨年の米大統領選のような事態に発展しかねないと指摘した。

ドナルド・トランプ前大統領は郵便投票にしつこく異議を唱え、各地で票の再集計を求める訴えを起こした。

電子投票の流れは極めて単純で、有権者は画面に表示された顔写真と候補者番号をチェックし、ボタンを押すだけでよい。これにより、以前は数日かかっていた票の収集作業が数時間に短縮され、選挙結果はおおむね当日に判明するようになった。

有権者と国際社会は安全面と効率性の面からこの電子投票を高く評価している。しかし、一部の保守的な議員や専門家は、システムに不具合が発生したり不正アクセスがあった場合、票数が操作される可能性があると指摘しており、電子投票は維持したうえで、票を紙ベースでも記録するよう求めている。

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