◎このシャチはクシャメンクと名付けられ、1992年に救助されて以来、首都ブエノスアイレスの水族館、ムンド・マリノ水族館で暮らしている。
シャチと飼育員(Getty Images)

動物愛護活動家たちがアルゼンチン最大の水族館で30年以上も飼育されているシャチの解放を求めている。

このシャチはクシャメンク(Kshamenk)と名付けられ、1992年に救助されて以来、首都ブエノスアイレスの水族館、ムンド・マリノ水族館で暮らしている。同国で飼育下にあるシャチはこの1頭のみ。

最近、クシャメンクが小さなプール内でぼんやりと水族館の扉を見つめる様子を撮影したドローン映像が拡散し、孤独なシャチの運命に注目が集まった。

クシャメンクの解放を求めるカナダの動物愛護団体「アージェント・シー(Urgent Seas)」の代表はABCニュースの取材に対し、「彼は1人であることに絶望し、生きる気力を失っている」と語った。

シャチは群れで行動し、数百頭のグループを構成することもある。その知能は極めて高く、仲間と連携して狩りを行うなど、常に群れで行動する。

クシャメンクは1992年11月、3人の漁師が大西洋岸の町から出港した直後に発見された。

このシャチを含む4頭は海岸近くの島と浅瀬に囲まれたエリアに迷い込み、身動きが取れなくなっていた。

当局は4頭を保護し、水族館に移送。クシャメンクは当時3歳前後とみられ、ひどく衰弱していたという。

ムンド・マリノの担当者はABCの取材に対し、「クシャメンクの年齢は35歳前後と推定され、衰弱しているという兆候は見られない」と語った。

クシャメンクと一緒に暮らしていた最後の友人は2000年に死んだ。

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