◎8月の予備選と10月の総選挙は右派が優勢と予想されている。
アルゼンチンのフェルナンデス大統領(左)と妻のクリスティナ・フェルナンデス副大統領(ロイター通信)

アルゼンチンのフェルナンデス(Alberto Fernández)大統領は21日、今年予定されている大統領選に立候補しないと示唆した。

フェルナンデス氏は「決断」と題した動画をソーシャルメディアに投稿。10月の大統領選で再選を目指すつもりはないと語った。

最新の世論調査によると、政府の支持率はインフレの影響で急降下。連立政権の高官もフェルナンデス氏に出馬を表明しないよう圧力をかけていた。

8月の予備選と10月の総選挙は右派が優勢と予想されている。

フェルナンデス氏は「立候補しない」とは明言しなかったが、「当選した人にたすきを渡す」と述べ、その意思を明らかにした。

またフェルナンデス氏は「公約をすべて果たすことはできなかった」と述べ、インフレを念頭に置き、「目の前の問題をひとつずつクリアすることに集中したい」と強調した。

連立与党内の対立は数カ月前に表面化し、クリスティナ・フェルナンデス(Cristina Fernández)副大統領を支持する勢力はフェルナンデス氏に予備選に立候補しないよう求めていた。

フェルナンデス氏は経済の低迷と100%を超えるインフレ率に悩まされている。国連によると、同国の児童の50%以上がまともな食事をとれず、援助団体やNGOの支援に頼っているという。

最新の世論調査によると、回答者の7割がフェルナンデス政権の続投を望まず、再選を支持したのは10%に満たなかった。

アルゼンチン・ペソは今週、「1ドル=218Aペソ」まで暴落。20年前は「1ドル=3Aペソ」前後で取引されていた。

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