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アルゼンチン2026年5月インフレ率2.1%、8カ月ぶりの低水準に

ミレイ政権は2023年末の発足以来、歳出削減や補助金削減、通貨・市場規制の緩和など大胆な経済改革を推進してきた。
アルゼンチンのミレイ大統領(ロイター通信)

アルゼンチンの国家統計局(INDEC)が11日に公表したデータによると、2026年5月の消費者物価指数(CPI)は前月比2.1%増となり、8カ月ぶりの低水準を記録した。4月は2.6%であった。高止まりする物価への不満が続く中、ミレイ(Javier Milei)大統領にとって追い風となる経済指標と受け止められている。

政府報道官はこの結果を歓迎し、「過去8カ月で最も低い月間インフレ率だ」と強調した。市場予想の2.3%も下回り、政府が進める緊縮財政や規制緩和策の効果が一定程度表れたとの見方が広がっている。

一方で、前年同月比では33.2%増となり、前月の32.4%からわずかに上昇した。これは2025年5月のインフレ率が1.5%と極めて低かった反動によるもので、依然として国民生活への負担は大きい。食料品価格は2.5%上昇、通信費も3.4%上昇したほか、教育費も2.9%の伸びを示した。

ミレイ政権は2023年末の発足以来、歳出削減や補助金削減、通貨・市場規制の緩和など大胆な経済改革を推進してきた。左派政権時代から200%を超えていたインフレ率は大幅に低下し、財政収支も黒字化するなど一定の成果を上げている。政府はインフレ抑制を最大の実績として掲げ、経済正常化への道筋を示そうとしている。

さらに、国際格付け会社S&Pグローバルは11日、アルゼンチン国債の格付けを引き上げた。政府はこれを市場からの信認回復の証拠と位置付け、将来的な海外投資の呼び込みや国際資本市場への本格復帰につながるとの期待を示している。

しかし、経済の先行きにはなお不透明感も残る。実質賃金の伸びは物価上昇に追いついておらず、安価な輸入品の流入によって国内製造業や小売業では雇用環境が悪化している。失業率も上昇傾向にあり、家計への圧力は続いている。

また、政権幹部を巡る汚職疑惑も政治的な火種となっている。最近ではミレイ氏の官房長官が資産隠し疑惑で調査対象となり、50万ドル相当の未申告資産や暗号資産の保有を認めた。反汚職を掲げてきた政権にとっては大きな打撃となっている。

インフレ抑制という最大の課題で成果を示しつつあるミレイ政権だが、景気回復や雇用改善、政治的信頼の回復といった課題も依然として残されている。今回の物価指標の改善が一時的なものに終わるのか、それとも経済安定化への転換点となるのかが今後の焦点となる。

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